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ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

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Sep 17, 2008
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「夏ざかりほの字組」

 メンデルスゾーンの四重奏曲って、どれもがいい曲なのに強烈な個性に欠けてて、一回や二回聴いたり弾いたりしただけでは曲の良さがわからない。損な話。
 そんな彼の四重奏のなかで一曲だけ選べと言われたら、自分はおそらくこの44-2を選ぶと思う。理由は上手く説明できないものの。

 今日ついに悲願達成、ファーストで挑戦できた。この曲をやってみようということは仲間うちで春ごろに決めてて、それなりに個人練習に励んでたのに、合わせの練習が何度も延期になったうえ、ビオラとチェロのふたりが我ら「カルテットごっこ愛好会」の脱退をほのめかし、もう無理かと諦めかけていた。結局助っ人さんをお迎えし、今日やっと弾くことになった次第。(セカンド:マリリー、ビオラ:ベロニカ、チェロ:メルセデス)

 mendelssohn44_2_1.JPG

1楽章: 出だしのシンコペ攻撃からして見事。ファーストはひたすら自分を信じて前進しなきゃいけない。チェロはダウンビートを刻んではくれてないので頼りにならない。
 16分音符を流れるようにスラーで弾くとこと、激しく切羽詰まったように弾くとことの対比も面白い。フレーズが2拍めとか4拍めから始まるのも手ごわい。アンサンブルの勉強になる!

2楽章: このスケルツォは速めに弾いたほうがずっとラク。丁寧なテンポで弾こうとするとスピッカートを上手く飛ばせない。

3楽章: 美しいアンダンテ。メンデルスゾーンの無言歌以外の何ものでもなく。

4楽章: メン氏の「速い短調曲」の典型。難曲だが1楽章よりはまだマシ。「つじつまの合う弓づかい」について悩んだものの(三拍子だし)、弾いてて楽しくてしょうがなかった。

 ある音型が別の楽章て使いまわし(リサイクル)されてたりするのを発見するのも楽しいし、内声が、なんの前触れもなくいきなり表舞台に躍り出てくるのもメンデルスゾーンの魅力。特に今日は特別ゲストのビオラのベロニカ嬢が機敏に立ち回ってた。

 臨時記号の出没にもすごく気を遣う。ここぞというときに、p(ピアノ)で con fuoco という曲想指示が出てくるのも彼特有。

*****

 僕らバイオリンを練習する者にとって、メンデルスゾーンと言えば協奏曲ホ短調が最初にして最大の関門なわけだけれど、室内楽もかなりの難曲ぞろい。実際、四重奏はこのホ短調のが一番難しいと思う。

 エルガーと同様、ホ調というのはメンデルスゾーンにとって「勝負キー」らしい。

 弾いてて疲れたけど、念願の曲を合わせることができ至福の一夜だった。
 自分にとっては、この夏の総決算みたいなもんでもあったし。





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最終更新日  Sep 20, 2008 11:58:40 AM
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