「菊花の香り」でちょっと不気味な感じがしたパク・へイルと「スキャンダル」「我が心のオルガン」で、どうもいけ好かなかったチョン・ドヨンが主演の映画。全く期待もせぬままに、酷評でも書いてみようかと思って見始めた映画でした。が、途中から思いっきりノスタルジックな世界が広がって・・・、いい感じです。
何が良いかというと、主演者が可愛いとか可愛くないとか、かっこいいとかかっこ良くないとかといった視点で見なくていい映画だということ。母親の少女時代を演じているチョン・ドヨンなんて、美しいとは程遠く素朴で薄汚かったりする。でもその姿は、けなげで純粋で愛らしい。チョン・ドヨンは、そう美人でもないので演技派女優として捨て身っぽい役多いですけど、エロティックでスマートな役より、こんな役の方が随分好感持てますね。パク・へイルも穏やかで温かくて、今回とてもいい感じ。
ストーリーはなんとも言えずただ涙があふれたりして・・・。母親の少女時代を描いた部分は、純愛ラブストーリー。そこに広がる時代や風景は、ひと昔前の日本にも似た、ノスタルジーの世界。思いっきり古臭い。こんな映画、結構好きです。自分と母親との関係を省みたり、母の若かりし頃へと思いを馳せさせられました。母親は偉大です！
それに、純粋に愛し合っていた２人の愛が、長年の生活の中でこうも変わってしまうものかという現実にも似た寂しさを感じました。生活苦って人を変えてしまうのね。でも、本質は変わらないはずなのに、お父さんだけあっさりしたもので・・・。郵便配達父だった若い頃にあった心の奥の温かい優しさを、もっと表現して欲しかったです。
この映画、嫌いな人は嫌いかもって気もしますが、いい映画でした。
「菊花の香り」でちょっと不気味な感じがしたパク・へイルと「スキャンダル」「我が心のオルガン」で、どうもいけ好かなかったチョン・ドヨンが主演の映画。全く期待もせぬままに、酷評でも書いてみようかと思って見始めた映画でした。が、途中から思いっきりノスタルジックな世界が広がって・・・、いい感じです。
