いったん会社から自宅に戻って、ピアノレッスンへ行く途中、乗り替えの駅で興味のあるポスターでした。
こどものころは大阪市民だったので、碁盤の目のような路線図が当然だとおもっていたのですが、就職して上京して、当時の営団地下鉄の路線図を見て、面食らったのは、はっきりと覚えています。それから赤坂見附から長い乗換だとおもって、ものすごく歩かされたら永田町という駅に名前がかわっていて、これも面食らったこと、はっきり覚えています。昭和のおわりごろのころです。 それでも路線図は、いまよりはるかにシンプルでした。半蔵門線は半蔵門が終点、有楽町線は新富町が終点。 日頃お世話になっている豊洲駅も水天宮前も駅すらない時代だったことは、こういうものを見て思い出します。
会社に入った年は、サントリーホールがオープンした年。休憩時間にお酒を飲めるホールは、このあたりから。いまあたりまえにあるものは、時間をかけてようやくできたものも、結構あり、 多くのものを恩恵にあずかっていたりします。今の方が絶対恵まれているといい時代であると思うことにしています。
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地下鉄のポスターを見て、乗ったことのある都市を、思い出してみました。
札幌、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、博多
パリ、ローマ、ロンドン、ミラノ、ミュンヘン、ベルリン、フランクフルト、ハンブルク、ウィーン、ブダペスト、オスロ、リスボン・・・。
みんなそれぞれの顔があって、ちがうからいいのかもしれません。
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ひょんなことから、転勤になって、名古屋の鶴舞線という地下鉄で、伏見という駅まで、20分ほど乗って通勤していていたころを思い出しました。
母の実家は、京都の北部の舞鶴から東へ50分ほど電車に乗った福井県の若狭湾にあるのですが、漢字をひっくり返した線もあるのか、伏見といって、なんで京都でないのとか、ひねくれたことばかり思って今ました。それだけなじんでいなかったというのでしょう。いまではピアノオフ会とかにも出かけるところなのですが。
ちょうど、そのころ、ポリーニがシューマンのCDを出していて、
よくぞこのような曲をということで、同じCDにはいっていたクライスレリアーナよりもシューマン最後のピアノ作品の曲にひかれて、何度も聴いていたことがありました。
思うようなことばかりでなく、どうしていいものかと思っていたとき、特に第3曲と第4曲は、自分と波長があったようで、こればかり、たった数分の曲を聴いていた気がします。
BGM: シューマン 暁の歌 Op.133
https://www.youtube.com/watch?v=W6r3R2pCPeA
この曲をよく聴いていたころから、数年経って、ミュンヘン中央駅から地下鉄に乗って、マリアンプラッツというところで降りて、市庁舎(ラトハウス)のところにある、ヘンレ版がたくさん置いてある、楽譜屋さんで、記念に買ってかえったりもしました。難しすぎてなかなか弾ける曲ではありませんが、いつかの楽しみにしたいです。