篤姫 第38話「姑の心、嫁の心」
生麦事件、攘夷派長州の台頭など、隠れ開国派の幕府としては頭の痛い自体。江戸には帝から、攘夷の催促の特使がやってきて、家茂は直接京都に行き、自らが帝に攘夷の難しさを説明することを決意。天璋院は、よく決意したと喜ぶが、和宮は今攘夷が無理だなどということは自殺行為と感じているらしく、ただただ家茂を心配し、京都行きを後押しした天璋院に対して、怒りをぶつける。これまで数々の困難を”直談判”で乗り越えてきた天璋院は、直接話すということにこだわりたかったのだとは思いますが、帝の異国嫌いや、その周囲が攘夷派ばかりになってしまっている状況から、家茂が行ったところで無駄、それどころか家茂の身が危ないと感じている和宮には京都行きが無謀としか思えない。なにより、妻として、愛する夫のことが心配で・・・。かつての天璋院が薩摩の意向で次の将軍に慶喜を、言われていたのに、夫である家定を愛するようになって、その板ばさみに苦しんだように、今は和宮が攘夷と家茂との間で苦しんでいます。攘夷は無理、とわかっている和宮だけれど、それを母親にさえいえない辛さ。江戸を立つ日の朝、大奥を出る家茂を追いかけようとして閉ざされた扉の前に立ちすくむ和宮の後姿に思わず涙・・・。私はあの方の妻です。母とは違うのです。すごいな。なかなかいえないですよ。心では心配で泣きそうであっても、いかなければならない男を笑って送り出す、という”女”が描かれることが多い中、こうもはっきり言葉にするのだから。(笑って送り出すのには負担にならないように、という気持ちもあるだろうからですけども)ここで嫁姑の線を引いたのね・・・。京都と江戸の嫁姑バトルではなく。でもお母さんっていうのは子供のことを、奥さんより心配したりするものじゃないかな。特に息子は。天璋院が本当の母親じゃないから、っていうんじゃなく、天璋院の性格でしょうね。自分が行こうとしていたくらいだから、行って話してくる、が自分にとってはわかりやすい行動だったのでしょう。それにしても。公方様にとってもかわいいだろうな、こんな純粋に慕ってくれるお嫁さん。大事に思っているのですね、と天璋院にきかれて、はい、と答えちゃうくらいだし。再会が楽しみです。物語は過酷そうだけど。薩摩が英国と戦うなんて・・・世界を知らないってことは本当に恐ろしい・・・。勝海舟(上)