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Apr 4, 2007
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カテゴリ:劇評
現在形の批評 #59(舞台)

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悪い芝居 『イク直前ニ歌エル女(幽霊みたいな顔で)』


3月29日 アトリエ劇研 マチネ


悪い芝居


徹底したドライな視線


バカバカしい。なんともバカバカしい。観劇しながら常に思ったことである。それそのものは、今年で三年目を迎える若い劇団らしく、適度な挑発を含ませてふざけるポップなデザインのチラシからあらかじめ想像していたことである。だが、その徹底的なバカバカしさが最高で、しかも意外にしたたかな手つきをしていたことにちょっと驚かされた。それがこの劇団のいつものスタイルで且つ、実力なのかは初見である為に判然としない。舞台をから感得したこととは、キャラ作りは達者でも演技のアンサンブルという面ではお世辞にも決して上手いとは言えない俳優、我々若い世代へ虚構のノスタルジーを喚起させて止まない布施明や尾崎紀世彦といった昭和歌謡曲の劇中使用、演劇的約束事を平気で観客に伝達して突き放すメタ視点、映像を用いたギャグ(『となりのトトロ』での、雨の日にカンタがサツキに傘を貸すシーン映像に、適当なアテレコをして揶揄的な笑いを狙う)といったものである。こういったくだらなさが全編とおして速射砲のように繰り広げられる。そのダイナミズムさに私はとにかく底知れぬパワーを皮膚感覚で体験したのだ。観劇する私が確実に熱していた理由の大部分は、俳優達の流す熱気と汗に呼応したのであり、この日の気候だけによるものではなかった。

以下、劇評は『wonderland』に掲載。





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Last updated  Aug 11, 2009 06:51:45 PM



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