この小説は、百田さんらしい緻密で感動的な話でした。
主人公は、夫婦間にちょっとわけありな問題をかかえた
30代前半の女性です(美人で若く見える)。彼女は、
結婚後退職していましたが、外に出たくなり家庭教師の
アルバイトを始めることにしました。(こういうちょと
知的な設定も百田さんらしくて好きです)
そして紹介されていった家庭が広々とした庭を持つ豪邸
でした。すばらしい庭を散歩させてもらっていると居候の
ような不思議な青年が現れます・・・。
不妊治療、多重人格、虐待、というような微妙な重いテーマを
見事なエンターテイメント小説にしてしまったところに
氏の天才ぶりを強く感じます。この話を作るためにかなり
精神医学について調査をしたんだろうなと想像できます。
そして、中盤から終盤に、これまた見事な純愛的でインパクトの
ある熱い恋愛小説となっています。炎のように盛り上がっていく
心の動揺がバンバン伝わってきて感動に包まれていきます。
ということで、詳しく書くとネタバレなので、書きませんが。
ものすごく面白くって独創的なストーリーで楽しめました。