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カテゴリ:本
道尾秀介著、水の柩
中学2年生の男の子:逸夫が主人公です。その同級生で転校生の 敦子がいじめを苦にダムで自殺をするというのがメインの ストーリーです。そのダムに沈んだ村には、逸夫の祖母”いく” が70年間隠してきた秘密の出来事があったのでした。・・・ あまりにも普通な日常、家族間の葛藤。いじめ、自殺、小学生 から中学生という不安定な心理。恥ずかしさ、貧困、人に知られ たくない過去。そいういった切なく重いテーマを見事に書ききった すばらしい作品でした。 主人公は少年ですが、決して子供っぽい話ではないです。非常に 緻密で計算されたストーリーとディテールの細かい心理描写が 抜群であっという間に読めます。道尾さんは、昨年、直木賞を受賞 したので何かこう吹っ切れたというか、余裕をもって表現できたの だろうなと思わせるような印象ですね。彼ならではの輝くような 表現も散りばめられています。気分的に辛い切ない箇所も多いですが、 ラストは・・・。読後感は、わりと爽やかです。 この作品でも特にいじめられる側の心理が鮮明ですが。いじめる側 の心理分析も読んでみたいなと思いました。 道尾秀介さんらしい作品のなかでも、特に好印象でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 10, 2012 12:16:04 PM
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