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★cafe@porin★

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2004年の読了本(4月)

2004年の読了本

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*4月*
「Rie’s high! みんな絶対、変われるよ」長谷川理恵(幻冬舎)(2004.4.4読了)
太っていてやる気のなかったイギリスの高校時代。そして帰国し、大学在学中にモデルとなる。華やかな世界での挫折やマラソンとの出会い。彼女はこのマラソンとの出会いから心身ともに強くなれたと言っている。実はあまり知らない人(某石田Jさんの恋人くらいにしか)だった理恵さん。TV東京系列の番組「常夏ガール」(現在は終了)でサーフィンをしている理恵さんを見て結構高感度を持った。マラソンに対しても、野菜ソムリエの資格にしても、健康のことにしても常に前向きで目標を持って突き進んでいる。輝いてみえたのだ。そんな彼女のエッセイを読む前にある番組で彼女の自伝的な話を聞いた。面倒なことが嫌いで頑張ったことがなかったとか、イギリスの高校に行っていたといっても全寮制の日本人学校で英語など全く使わなかったこと、その高校時代に楽しいことがなくて食べることでストレスをはらしていた・・・などなど。モデルになったもの軽い気持ちでアルバイト感覚だったとか。CanCanで人気があったからOggiにいってもそれなりにできるだろうと安易に考えていたら仕事がこなくなったこと。健康とは無縁の生活でただダイエットの毎日で不健康な痩せ方だったからだとか。でもそういう挫折を経て谷川真理さんやマラソントレーニングコーチの中島進さんと出会ったことは彼女の人生にとって大きかったと思う。この本は彼女にとっても読んでいる人にとってもエール本だな。
「四季 秋」森博嗣(講談社ノベルス)(2004.4.7読了)
秋では大学院生となった西之園萌絵と犀川創平が真賀田四季の残したメッセージをついに読み解きます。段々面白くなってきました。冬でどのような完結になるのか楽しみです。萌絵ちゃんの女っぷりも何だか可愛い♪
「ハミザベス」栗田有起(集英社)(2004.4.11読了)
・ハミザベス・・・母親と二人暮らしをしていたまちるははたちの誕生日直前、死んだと思っていた父からマンションを相続する。元恋人の幼なじみや、父の同居人だった女性との奇妙な友情。新しい部屋で重ねる日常。第26回すばる文学賞受賞。うーん、きっと自立をテーマにしているのだと思うけど、印象に残ったのは・・・妙なところ(性的なこと)とハムスターのこと。まあ、何故ハミザベス?なのかがわかっただけでも収穫か?
・豆姉妹・・・個人的にはこちらの方が面白かった。7歳年上の姉と同居生活している妹・末美。双子のようにそっくりな二人。看護婦をしていた姉がある日、SMの女王様になる。なんともぶっ飛んだ話だ。しかも妹の末美は突然アフロになるし・・・おまけに学校で青年の主張とばかりに演説までしている。この二人のところへ母の再婚相手の連れ子の良太(末美と同じ年)が家出してくる。三人の共同生活が始まる。話の最後に何故滝を見に行くのかがよくわからなかったが結構面白くまとまった話だった。
「お縫い子テルミー」栗田有起(集英社)(2004.4.14読了)
お縫い子テルミー・・・テルミーこと鈴木照美は流しの縫い子。えっ?流しの縫い子?どんな生活やねん?って思うけど、テルミーは純粋で最高の縫い子なのさ。キャバレー・モンシロチョウでホステス兼歌手をしているシナイちゃんに恋するテルミー。たとえそれが叶わぬ初恋だとしてもどこかでシナイちゃんを感じていたいテルミー。何だかそのひたむきさが可愛いのだ。生まれ育ちも少し変わっているというかちょっと可哀想な気もするけど、服を縫うことは彼女の天職だし、流しでも一人で生きていける強さもある。「私はふたつバッグを持っている。ひとつには生活道具、もうひとつには裁縫道具が入っている。」この文章が好きだな。何だか彼女にどこかで偶然に会いたい気分だ。
ABARE・DAICO・・・小松誠二、小学五年生。彼の夏休みはとんでもない事件とともに過ぎようとしていた。少年の成長物語のようにも思えるが、ここに出てくる誠二は少し大人びている。なくした体操着を買うお金を自分で何とかしようと妙なアルバイトをすることになる。ただ留守番をしてお金をもらうのだが、そこの家(酒井さん)がまた謎がありそうな家。あけてはいけない部屋があったり、味噌汁の煮詰まった匂い(なんじゃそりゃ?)に猫のグァムとハワイ(何という名前だ)。おまけに近所の人にとんでもない噂を流されて学校で問題になったり。一緒に暮らしていない父親と母親との間にもこの事件を気に微妙な変化あり。そして親友のオッチンとももっと深い友情で結ばれたり・・・たかが子どもも侮るなかれ。されど子どもだ!中々面白くまとめた作品でした。
「木霊」田口ランディ(サンマー出版)(2004.4.18読了)
絵本というには奥が深すぎるお話です。前世が木霊で人として生きることができない私の話です。「命はただ、存在しているだけで、ギフトなのです。」最後の一行で魂を悟ったような気がします。人としての生きるスピードについていけなくて苦しむ。確かに今の時代、流れが速すぎてついていけないことはよくある。もっとゆっくりと息をして、ただ静かにたたずんでいたい。このズレが微妙だったんですね。いつもながらランディさんの著書には魂を感じます。
「ダブルダウン勘繰郎 」 西尾維新(講談社ノベルス)(2004.4.21読了)
蘿蔔むつみはそびえ立つJDC(日本探偵倶楽部)ビルディングを双眼鏡で一心不乱にみつめる奇妙な探偵志望者・虚野勘繰郎とめぐりあう。 ―それが過去に66人の名探偵の命を奪った『連続名探偵殺戮事件』の再起動と同調する瞬間だとは思いもよらずに…!?あの清涼院流水の生み出したJDCワールドに挑む。懐かしい・・・JDCシリーズ読んだもんね~戯言シリーズもいいが、こちらも中々面白い。別にすっごい展開の大事件が起こるわけではないが、この勘繰郎のやけに強気な態度といい、むつみの実の正体といい、逆島あやめ&椎塚鳥籠との対決といい。いい味出してる。しかも対決にブラックジャック。(トランプ)くくく、ジョーカー(わかる人にはわかる)いや~薄い本なのに濃い内容だったこと。
「雪沼とその周辺」堀江敏幸(新潮社)(2004.4.26読了)
山あいの静かな町、雪沼で、ボウリング場、フランス料理屋、レコード店、製函工場、書道教室などを営む人びと。短篇集。川端康成文学賞受賞作「スタンス・ドット」ほか2004.3月号の「ダ・ヴィンチ」絶対はずさないプラチナ本に選ばれる。「スタンス・ドット」・・・この作品が一番好きだ。今日限りで廃業するボーリング場のオーナー。倒産ではない静かな店じまいの夜に最後の客人にボーリングへの思いを回想させる。静かだが、そのボーリングの最後の一投の音に共鳴を覚える。「レンガを積む」も同じような感覚かもしれない。小さな商店街の古びたレコード屋が舞台。静かに時が流れ、あたたかい人との交流を雪沼とその周辺の日常とともに描いている。普通の人生かもしれないが、懸命に生きている人々。私はこういう静かな小説も好きだな。
「東京湾景」吉田修一(新潮社)(2004.4.27読了)
メールから始まった亮介と美緒の恋愛。東京湾を挟んだお互いの場所。恋愛小説家が描く亮介と美緒たちが登場する小説。今どきかもしれない出会い系で知り合うパターン。本名を中々明かせない美緒(涼子と名乗っていた)の複雑な気持ち。そして隣に住む大杉くんと彼女のゆうこ、その友達で亮介を好きな真理。みんなストレートすぎる恋愛感情がまぶしい。亮介の過去が偶然知り合った恋愛小説家青山ほたるの手によって連載されるのも読み物だ。恋愛には痛みがつきものなのか?
「馬鹿図鑑」五味太郎(筑摩書房)(2004.4.27読了)
馬鹿にもいろんな馬鹿あり。思い当たる馬鹿もあり。見て楽しい馬鹿がいっぱいな図鑑。というのだろうか?彼の絵が好きなんだよね~とぼけてて。
「忘れ雪」新堂冬樹(角川書店)(2004.4.28読了)
傷ついた子犬を拾った少女は、獣医を目指す高校生に助けられた。春先に降る雪に願いをかけると叶うという。その願いが通じたのか傷ついた犬は元気になり、クロスと名づけたその犬とともに少女は京都へ。そして八年後、ふたりは偶然の、しかし必然ともいえる再会をしてしまう。ふたりの空白に、幼い日の思い出がよみがえった時、彼女は失踪する。純愛小説、ベストセラーと発売当時話題になっていた本です。でも新堂さんといえば「暗黒系」やっぱりの展開です。後半はがらっとかわり、危ない感じのする展開にはらはら。でも・・・やっぱり最後はせつない。ネタバレしてしまうと、どうしてこうも障害が襲ってきて結ばれないの?


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