カテゴリ:美術展・博物館
67歳の私にとっては、まさしく「弾丸ツアー」でした。
朝の6:42発のバスに乗り、アパート → 岐阜駅 → 名古屋駅 → 東京駅 → 上野駅の行程です。 上野駅 → 六本木駅 → 府中駅と回り、帰りは東京駅に戻って、名古屋・岐阜そして自宅アパートです。 帰り着いたのは、10時半ぐらいでしたでしょうか。 先ずは、国立西洋美術館においてシャセリオー展の鑑賞です。 今回は、メモ帳片手の鑑賞はやめました。 ある4コマ漫画において、「レンズ越しに我が子を見るなんて勿体ない」と言った台詞がありました。 カルチャーショックのようなものを受けましたね。 感想を考えながら、そしてそれをメモしつつ鑑賞するなんて、実に勿体ないと思えたんですよ。 で、何も考えず、ただただ浸るように鑑賞することにしました。 「きれいな女性、好きですか?」 私は、大好きです。 そもそも美術鑑賞にのめり込んだきっかけは、ルノワール作の「ジャンヌ・サマリー」の肖像画でしたからねえ。 今回の「カバリュス嬢の肖像」は、目を見張るような美しさでしたよ。 しばらくの間、見惚れてしまいました。 ただ、名前が…… この方、天才画家だそうで。 若い頃から注目を浴びたらしいですね。 日本でいえば、竹久夢二ということになりますかね。 お二人とも、若くして亡くなっていますし。 さあ、と意気込んで Musha 展に向かいました。 六本木駅で降りて、てくてくのテクシーの予定です。 でしたが、駅の通路でビックリ! [大エルミタージュ美術館展]が、森アーツミュージアムで開かれているとか。 何は置いても行かねば、と六本木ヒルズ森タワーへ向かいましたよ。 が、やはりのことに長蛇の列。 聞けば、1時間弱待ちとのこと。 それを我慢して入場したとして、1時間や2時間で収まるはずもなく、この後の予定がガタガタになるのは必死です。 というより、大エルミタージュ美術館展のみで帰らねばならぬ羽目に。 「いつまで?」と見るや、6月18日までとか。 ならば6月に再度出かけてくるか――丁度16日は誕生日でもあることだし、自分へのご褒美ということにするかと落ち着きました。 予定通りに国立新美術館へと向かい、Musha 展のみの鑑賞をすることに。 ところがここでも「40分ほどお待ちいただくことに」と冷たい言葉が。 やむなしと腹を決めて最後尾に並ぶことに。 とその時、天からのありがたい言葉が。 「各種手帳をお持ちの皆さんは…」 そうなんです、無料入場できるということで、ずらりと並ぶ皆さん方を横目に見ながら建物の中へと入りました。 入場制限があってしばしを待たされましたが、これ以上の欲をかいてはいけませんわな。 「素晴らしい!」「ファンタスティック!」「ブラボー!」 他に感嘆の言葉を知りませんが、まだ言い足りないという思いです。 とにかくおすすめの美術展ですよ。 お恥ずかしい話ですが、この美術展で初めて「アールヌーボー」なる言葉の意味を知りました。 花を周囲に描いて人を飾り立てるとは、ほんとに華美すぎるほどです。 でも、好きですね。 でも、確か、「スラヴ叙事詩」という謳い文句だったと記憶していましたが。 出ました、あっと驚く作品が、大きな作品が壁一面を飾っていました。 歴史物が好きな私ですが、ヨーロッパ特にチェコの歴史などはまったく知りません。 でもでも、ただただ圧倒されるばかりです。 「ウォーリーを探せ」って、覚えていらっしゃいますか? 30年近く前に流行した絵本のことを。 人が入り乱れた絵の中からウォーリーを見つけ出す。 そんな絵本でしたが。 実はこのスラヴ叙事詩の作品にも、似たようなことがあります。 作品のどこかに、大体は下段の方なのですが、こちらを見ている人物が描かれていました。 その人物の目たるや、カッと見開いた状態で、怒りとも諦めともとれるような目です。 目力という言葉がありますが、しっかりとこちらを見つめていました。 「平和への希求」の心が、しっかりと私には伝わってくる作品でした。 さあ最後の美術展です。 時間が押してしまい、予定よりも1時間近く遅れています。 少し時間をかけ過ぎてしまいました。 森アーツミュージアムに立ち寄ったことも因でしょうが 府中市美術館には、午後3時には入館しているはずでした。 今、4時近いです。まだバスの中です。 閉館が5時なんですよ、美術館が。 ということで、駆け足で回りました。 小さな作品ばかりですので、皆さんの足ものろいんですよね。 何人かで囲んで観るということができなくて、イライラしました。 後ろからのぞき込んで、興味を惹かない作品は飛ばしました。 普通の画風は、飛ばしです。 「奇想天外」「奇妙きてれつ」 これを求めての観覧ですから。 「相馬の古内裏」は、源頼信の家老大宅光国と平将門の遺児で妖術を操る滝夜叉姫との対決の場面の絵。 登場する大きな骸骨は、大向こうをうならせると言っても過言ではない迫力に溢れている。 「鬼若丸と大緋鯉」は、弁慶のことだとか。 と思えば、蛙やら猫やら金魚やらが登場するほのぼのとした作品もあった。 当時の幕政を揶揄したり非難したりの作品は御法度であるということから、雀を描いての風刺の効いた作品も面白かった。 途中「閉館時間は…」というアナウンスが流れて、ますます駆け足で観る羽目になってしまった。 それにしても東京に住む方たち、羨ましい限りです。 「文化の街、芸の街、名古屋です」などといった宣伝文句がかつて聞こえていたけれども、どうにも昨今は素通りの状態に思えてなりませんわ。 名古屋ボストン美術館も、近々閉館になるという話ですし。 残念でなりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.06.18 09:49:25
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