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テーマ:リストカット(350)
カテゴリ:連ドラ?
札幌は冬に逆戻り。そのくせなんだかボーっとしておりましてψ( ̄▽ ̄)ψご指摘いただくまで「つづき」のことをすっかり忘れておりました(≧≦)!
2月15日の日記「才能と努力とあきらめ!」の続編☆ぱんちのススキノ路上ライヴを綴る「連ドラ」(笑)の第2回をお届けします☆ ※本日ライヴのため、おそらく日記更新できないだろーなー^v^; 第2回「その歌は誰のために」 かくして、勢いのまま夜のススキノ進出を決意したものの、路上に立つその緊張感たるや想像を絶するものだった。元々あがり症な上に、自分の歌を披露するなんて無謀。路上に立つその瞬間まで、自分を襲うであろう様々なプレッシャーを想像しきれていなかった。 ゆずや19が登場する数年前のことだ。当時まだストリートミュージシャンと呼ばれる人たちは、日本最大の歓楽街と言われるススキノにあってさえ、おそらくは不定期に現れる5~6人程度だったろう。 はじめて浴びる街の視線は実に冷たかった。素っ裸で独り投げ出されたような感覚。参考にする人もなく、すべてを一から決めなくてはいけない。先人のいないフィールドに飛び込んでしまったんだと、僕は少し臆病になっていた。まるで無関心に通り過ぎていく人たち。聞こえるのは客を引く作り笑いと冷やかしの声。 おっかなびっくりで腰を下ろしたのは、ネオン看板で有名なススキノ交番のそば。今はもうないがシェーキーズというピザ屋さんの前にある街路樹の下。どこを選ぶべきかもわからない僕が選んだ場所。結局そこを離れることは、歌うことを辞めるまでなかったんだから不思議だ。 1曲目はすでに決めていた。自分が一番好きだった歌。 震えの止まらない腕でギターを抱える。いつもは気にならないギターの位置がなぜだか定まらない。最初の一声が出てこない...。歌いだそうとはするものの、「あぁ、やっぱり帰ろうかな...」何度もそんなことを思い返していた。人通りが気になる。向かいの店のお客さんが気になる。いつもと変わらない街の風景。でも本当はみんな聞き耳を立てているんじゃないだろうか...。うまく歌えなかったらどうしよう。途中で弦が切れたらどうする。ホントはこんなことする必要なんてないんじゃないだろうか...。 ギターを抱えたままどれくらいの時間が過ぎていたんだろう。グルグル巡る妄想をかき分けて、僕はある大事なことに気づいた。 すべてを一から。自分の場所になる日までの道のりを今は想像することもできないけど、自分だけの場所をやっと見つけたのかもしれないんだ。僕だけにできること。誰かのマネではないと言えること。 そんな想いにすがるように、僕はやっと自分の声をあげた。 しかし......?! 声が出ない。 「アレ?僕の声量ってこんなもんじゃないはず...」 振り絞ってみても出ない。空間に全部吸い込まれていく! あぁ...これが実力? こんなもんだったの...? その時、初老の夫婦が目の前で立ち止まった。夫婦寄り添って僕の歌を聴いてるのが目に入った。 さらなるプレッシャー。 でも「僕の歌を聴いてくれてるんだ...」そう思うと、もうちょっとだけ声が出せそうな気がした...。 視線の先に二人を置いた瞬間、闇夜に吸い込まれていた僕の声は、まさしく堰を切ったようにあふれ出してきた☆ やった!やっと歌えたゾ! これは路上で得た最初の大きな発見。 カラオケなんかでも、歌うときにモニターを見るでしょ?あれって声を出す上ではすごく大事なもの。聴いてくれる人がいるってことも、ものすごく大切。ぶつける目標があるのとないとでは、ぜんぜん声の出方が変わるみたい☆ 「誰も聴いてくれるわけじゃない...」 たしかにそんな思いが僕の中にはあった。でもそうじゃない。誰かに届いてほしいから歌うはず。だから覚悟してここに来たはず。 「なぜ歌うのか?」そんな大事な問いを、パニックの中ですっかり見失っていた。 そんな葛藤渦巻く(笑)誰も記念してくれない^^; 波乱の1曲目を歌い終えると、二人が優しい笑顔をたたえてゆっくりと近づいてきた...... つづく(長いから×o×;) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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