Eternal Love


はぁ…と短い溜め息を來斗がした。

「どうしたの?來斗?」

來斗の母が來斗に問い掛けた。

「ぇ!?…何でもないよ!」

來斗は「ほらっ元気」とでも言わんとばかりに腕を振り上げた。母も「そぅ?それならいいけど…」とそれ以上追求しようとはしなかった。
來斗はリビングから出てリョーマの元へと行った。トントン…とドアをノックした。

「リョーマ?居る?……入ってもいい?」

「ん?別にいいけど?」

リョーマがそう答えるとそっとドアを開け、部屋へ入った。

「リョーマ…今日男子テニ仮入したでしょ?」

リョーマはコクンと頷いた。

「楽しい?」

來斗の問いの意図がさっぱりわからなかった。が、とりあえずは楽しそうだと思い頷くことにした。

「じゃぁさ…その…強い?」

今の問いにはリョーマは豆鉄砲を喰らったような顔をした。だって入学する前から青学は強いことで有名なのだ、と騒いでいたのだから。それが何故今日になって突然そんなことを言い出すのかと。

「ん~?強いんじゃないの?…で、何でそんなこと聞くわけ?」

來斗はリョーマから視線をずらした。

「ぇえっとね…弱いんだよ…女子テニ。強いのは男子だけなんだって。去年は違ったらしいけど…」

今來斗が何故あんな質問をしたのかリョーマの中で繋がった。なるほど…だからあんな質問をしたのか。と一人納得した。

「私…嫌なんだよ…折角期待…したのに…さ、何か…」

涙を浮かべ、ペタンと座り込んだ。

「ごめ…リョーマ…少しだけ…少しだけ泣かせて…」

來斗は強い…來斗と打ち合ったリョーマは確信済み。個人戦ならまだしも団体戦ともなれば一人が強くても他が弱いんじゃ意味がない。それはリョーマも一応わかっている。そして、一人泣いてる來斗をみて何を思ったのか知らないが、突然抱きついたのだ。

「リョ…マ?」

「どんな事があってもテニス止めんなよ」

「…ぅんっ…」

アリガトウ…リョーマ。ゴメンね…あと少しだけ泣いたら元気になるから…あと少しだけ…


―次の日―

「っん…」

リョーマは薄っすらと目を開けた。

「朝…か…。」

そして腕の中でスヤスヤと眠る來斗を見た。昨日來斗はリョーマの腕の中で泣きつかれてそのまま寝てしまったのだ。そして何故だか知らないが毛布が2人に掛けられていた。多分南次郎か來華が掛けたのだろう。しかし、抱き合って寝ているのを見られたのは恥ずかしいことだ。

「ん~…」

やっと來斗も目を覚ましたようだ。

「おはよ…來斗。」

「ぅん。おはよう…って…ぇ?あれ?リョーマ…何で私…ぇえ??」

どうやら自分が何故リョーマに抱かれているのかわからず混乱しているのだ。そしてやっと落ち着いてきた來斗。

「ふぅ…リョーマ…昨日はアリガトウ…。お陰で元気になったよ!」

ふわりと笑って言った。そして來斗は今日の用意をするからと立ち上がり自室へ向かった。リョーマは少し残念そうだったが、泣き顔と初めて見せた笑顔が見れたからそれで良しよした。

そして又数週間後―

來斗は女子テニなんかじゃ絶対全国に行けない。・・・それでもやはりテニスの傍には居たい!という決心から竜崎先生に男子テニス部のマネージャーをやらせてもらえないかと相談しに行った。もちろんリョーマには内緒だ。
竜崎先生も來斗の気持ちを聞き、不純な動機ではない事を悟った。

「ぅむ…まぁ、今回は特例として認める。お前さんの気持ちはわかったからね。」

「本当…ですか!?やったぁ!」

竜崎先生は「ただし」と付け加えようとしたのだが、

「私死ぬほど頑張りますっ!」

どうやら先を越されたらしい。

「じゃぁ部長の手塚には私から言っておくよ。」

「はい!」

この嬉しきことをリョーマにも伝え無くてはと思い、思いっきり飛び出した。が…人にぶつかってしまったのだ。

「ぃてて…ごめんなさいっ!急いでて…」

「ん…大丈夫だった?」

「はっはい!…って…はりゃ?」

どこかで聞いたことのある声だと思い上を向いた。すると其処には前道を教えてくれたあの先輩が居たのだった。


☆あとがき☆
佳夜:ん~っと…4.5くらい終わったかな?

リョ:微妙な数だね…。

佳夜:だってそうなんだもん!第7話までやるんだからっ!

リョ:……微妙に長いね。

佳夜:そーだねぇ…

リョ:佳夜の文才ってさぁ…地球上の誰よりも低いよね

佳夜:何!?突然!?ってか酷いっ!!

リョ:ホントのことでしょ?まだまだだね。

佳夜:くそ~…何か悔しいっ!も~!いいっ!それではでは!!(逃走

リョ:逃げてどうするんだろうね?まぁどーでもいいけど。それじゃぁね

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