clair de lune

　郊外のバスは、休日の運行本数が極端に減る。
一応、都内なんだが...。
次のバスを待っているバス停
傍の木から、カラカラになった葉っぱが落ちてくる。
水分を全く失くした葉は、風の赴くままに
舞い上がったり、地面を這ったりしている。
軽くなった葉は、何処にでも行けそうで
実はあまり遠くへ行くことは出来ない。

　そんな落ち葉に、自分を重ね少し気が重くなる。
昨夜から体調が急降下。
起きると、体は鉛を背負ったようで
喉が痛く、口の中はカラカラだ。
昼過ぎまでベッドの中でまどろんでいたが
今日のうちに秋田へ入っておかないと
明日の9時には間に合わない。

　週末の電車や駅は混雑しており
変な汗が額から落ち、目眩がするのは
この混雑のせいではなく、体調のせいだろう。
風邪薬のタブレットを、既定の3粒ではなく
5粒口の中に入れ、噛み潰す。
既にドリンク剤の効き目はなく
トニック・ウォーターで飲み干す。

　新幹線こまち号は、全席埋まっており
4時間あまりの移動は、寝るしかなさそうだ。

　よく先週まで身体が耐（も）った位で
この状態が正常だとも思える。
身体はDown したが、仕事はDawnといきたい。
そうでなくては、報われない、あまりにも...。

　この汗は、多分　熱がありそうだ。
気弱になるので、熱は測らず、明日を何とか乗り切る。
新幹線「こまち」は高速で首都圏を走り抜ける。
右手に見える、東京の夜景を後にして。