あとがき と 参考文献
あとがき と 参考文献 寛延二(1749)年、二本松藩で発生した寛延一揆は、歴史研究者によって詳しく調べられています。しかしこの一揆も、地方の歴史の中に埋没しようとしています。私がこの一揆に注目したのは、その発生のきっかけでした。もちろん一揆は、長年の不作が原因であることは論を待ちません。慢性的不作が一揆につながったことは、歴史研究者が等しく指摘する点です。しかしその理由の一端が、極めて政治的であったことに気がついたのです。 二本松藩は、武士たちの意識改革を図るため、戒めの文を彫った『戒石銘』を建立しました。本来、素晴らしい内容であったこの碑文が、農民たちの怒りに火を付けてしまったのです。そしてこの一揆の結末に、二本松藩は三つの結末を付けたのです。一つは死罪であり、もう一つは苗字帯刀の授与であり、三つめは『戒石銘』を建立した岩井田昨非の左遷だったのです。 寛延一揆は、この『戒石銘』にはじまり、『戒石銘』に終わったのです。ここに寛延一揆の別の切り口を求めてみたのがこれでした。 参 考 文 献1969 東北諸藩百姓一揆の研究 庄司吉之助 お茶の水書房1970 福島県史第三巻近世2 福島県 小浜印刷1971 福島県史第二巻通史2 福島県 小浜印刷1976 新編物語藩史 新人物往来社1977 福島の民俗 第5号 福島県民俗学会 〃 ふくしまの農民一揆 吉田勇 FCT企画1980 福島県民百科 福島民友新聞社1982 二本松市史第六巻 資料篇4 二本松市 明和印刷1983 三春町史第九巻 近世資料2 三春町 凸版印刷1991 二本松市史第一巻 通史篇1 二本松市 明和印刷 〃 江戸お留守居役の日記 山本博文 読売新聞社1993 「おかげまいり」と「いいじゃないか」 藤谷俊雄 岩波書店1997 餓死一揆碑めぐり 杉山勝 近代文芸社 三春町史42000 本宮町史 本宮町 平電子印刷所2001 二本松・安達の歴史 二本松・安達の歴史編纂委員会 〃 南奥州の幕藩支配と領民 糠沢章雄 歴史春秋出版社2002 村から見た日本史 田中圭一 精興社2003 本宮の歴史 本宮町史編纂委員会 歴史春秋出版社 〃 二本松藩の寛延一揆に関する考察 糠沢章雄 講演2004 ふくしまの百姓一揆 福田和久 歴史春秋出版社 お世話になった方々 (五十音順・敬称略) 荒井政男 尾形徳之 笹森伸児 白戸明 鈴木俊哉 高館作夫 西山忠則 野沢謙治 氷室利彦 星美智子 松村和歌子 宮沢淑子 柳沼賢治 吉川貞司ブログランキングです。←ここにクリックをお願いします。