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カテゴリ:先天性心疾患
左心不全
1.手術時心筋保護が原因となる機能障害 2.大動脈狭窄・縮窄残存による左室負荷 3.大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁閉鎖不全による左室容量負荷 4.完全大血管転位心房内転換術後 (Mustard or Senning procedure術後、体心室機能不全) 5.修正大血管転位術後 (体心室を右心室とした場合) 右心不全 1.Fontan手術後 (中心静脈圧上昇、心室機能不全) 2.三尖弁疾患術後 (Ebstein奇形、人工弁置換術後、閉鎖不全残存) 3.Rastelli手術後(導管狭窄、閉鎖不全) 4.Fallot四徴症術後(肺動脈閉鎖不全)、肺動脈狭窄 5.肺高血圧残存 ☆ Fontan手術 上大静脈、下大静脈の両方を肺動脈つなぐ手術。 最近では、Total Cavopulmonary Bypassの頭文字をとってTCPCと呼ばれることもある。 Fontan手術の前にGlenn手術が行われている場合には、すでに上半身から心臓にもどる血液は肺動脈に流れているので、下半身の血流を肺動脈に流す手術となります。 Fontan手術は、「(使える)心臓が一つしかない」心臓病に対して行われる手術です。 具体的には、三尖弁閉鎖症、左心低形成症候群、単心室症、純型肺動脈閉鎖症の一部などがFontan手術の適応症としてあげられます。 生後、はじめからFontan手術を行うことはまれで、通常いくつかの段階的な手術を経てからFontan手術へたどりつきます。 生後、肺血流が少ない場合は、BTシャント術が行われ、肺血流が多い場合には、肺動脈絞扼(バンディング)術という肺血流をすくなくする手術が行われることが多いですが、Glenn手術はその次の段階の手術となります。Glenn手術を行わずにFontan手術をおこなうこともありますが、これは各個人の状態や、施設の方針によっても異なります。 Fontan手術が終わった後は、基本的に、チアノ-ゼはなくなり、酸素飽和度は90~100%近くとなります。ただし、肺の状態などによっては、「フェネストレーション」と呼ばれる穴をわざとあけておいて、すこしだけチアノ-ゼを残すかわりに全身の静脈の圧力があがりすぎないような手術をすることもあります。 Glenn手術の段階では、全身へ回る血液のなかに青い血液が混じっていますので、「チアノ-ゼ」があります。 Fontan手術は、下大静脈を肺動脈につなげて、すべての静脈血がそのまま肺へながれるようにする手術です。 こうすると、基本的にはチアノ-ゼはなくなり、心臓からでた血液は全身を回った後、直接肺へまわって酸素をもらい、また心臓へもどってくるという循環となります。 心臓が血液を全身にしっかりと送り出し、全身からまわっていく血液が肺へスムーズに流れるには、心機能が良いこと、肺の循環が良いこと(肺血管抵抗が低い)などいくつかの条件がととのわなければならず、すべての患者に対してFontan手術が可能というわけではありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 22, 2011 12:10:45 AM
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