|
カテゴリ:医療・病気(内科系・耳鼻咽喉科)
テレビCMで毎日、大量に流れている健康サプリ系のCMにうんざりしている人も多いだろう。 昔は民放BS放送とCS放送が大半だったが、今やコストの高い地上波に大量進出。 それだけ知識不足の中高年と年寄りがこれら商品を購入してるってことだろう(苦笑)。 私のブログでも以前に触れた医者で作家の<久坂部 羊『医療幻想』-副題-「思い込み」が患者を殺す>(ちくま新書から2013年2月発行。ブログ日付:2017年05月16日)には、この情況を危惧している箇所がある。第1章の「論理的に効くはずのないサプリメント」のセクションには次のように書いてある。 ■ヒアルロン酸は本来は自分の細胞が作り出すもので、加齢とともに体内合成機能が低下していくが、口から入れたヒアルロン酸が血液を通じて全身を回るのに、都合よく顔の皺や間接の痛い箇所にだけ集まって身体を若返らせることが有り得るか? ■サプリのコラーゲンも大抵、牛などの骨や皮から取ったもので、他の動物のコラーゲンが人間の結合組織で利用されることはない。 ■効いたように思うのは「プラセボ効果」である。 この久坂部 羊『医療幻想』以外にも書いているのを一般書で見かけなかったが、最近読んだ新書にも類似の記述があった。 本の後半の「肌を若く保つ ― シワ、たるみ、シミ」のセクションで次のように書いてある。 ■コラーゲンを含む食品やサプリを摂取する人がよくいますが、残念ながら効果はない。人は口から摂取したコラーゲンをコラーゲンのままで吸収できない。吸収するには、消化酵素で分解する必要あるが、たんぱく質は構造が重要なので分解された時点でコラーゲンとしての性質を失う。 ■また、コラーゲンの長い鎖構造は皮膚に浸透しないのでコラーゲンの入った化粧品も期待できない。体内での合成が重要なのです。 まあ、こういう情報が厚生労働省等から表向きに出ていないのは、サプリが医薬品じゃないからでしょうか? 国の機関が積極的に広報すれば無駄なCMが減るはず。 国から出ている注意書き文書: 食品に関するリスクコミュニケーション 「健康食品に関する最近の話題 -健康食品との付き合い方を考えるー」 平成29年12月13日 【基調講演】 健康食品を利用する際の注意すべきポイント 国立研究開発法人医薬基盤・健康栄養研究所 国立健康・栄養研究所食品保健機能研究部 梅垣敬三 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年10月11日 14時34分30秒
コメント(0) | コメントを書く
[医療・病気(内科系・耳鼻咽喉科)] カテゴリの最新記事
|