なんとも言いようがない過失です。ご本人や遺族の気持ちを考えるといたたまれません。

「がん」主治医に伝わらず、厚木市立病院が治療ミス

　神奈川県の厚木市立病院（田代和也院長）で、胃がんの診断結果が主治医に伝わらず、５０歳代の男性患者が１年２か月間も胃かいようの治療を受けていたことがわかった。

　男性は昨年５月、転移した肝臓がんで死亡した。病院は２１日、「最初に胃がん治療をしていれば命を救えた可能性がある」として、損害賠償金５８００万円を支払うことで遺族と合意したと発表した。

　病院によると、同市内の男性は２００３年６月、吐血して救急搬送された。胃の組織を検査した病理医は当初、胃かいようと診断したが、３週間後の再検査で胃がんと判明した。

　しかし、男性は入院から２週間後に退院し、胃かいようの投薬治療を続けていた。０４年８月の検査で、当初より進行した胃がんを確認。病院は９月に胃の切除手術を行ったが、リンパ節に転移しており、その後、肝臓にも転移した。

　カルテには、病理医による診断結果の訂正書類があったが、その上に別の書類が添付されるなどしていたため、主治医は気付かなかったという。

　田代院長は記者会見で「あってはならないミスで、患者さんに大変申し訳ない」と陳謝した。

　そんな重要なことがなぜ伝達されなかったんでしょうか？病理医も診断が変わったのなら、カルテを介してだけでなく口頭でもそれをきちんと報告するようにしなかったんでしょうか。「がん」は、早期発見しての適切な治療が最善の完治する方法ですから、何とも悔やまれる事件です。１年２ヶ月も顕著な症状もでなかったということなら、診断当初は早期がんだった可能性が高いと思いますし、その時に適切な治療を受けていれば助かったはずです。告知を受けるだけでもひどいショックなのに、それに輪をかけたショックを与えられたわけですから、それには言うべき言葉もありません。ご遺族にも十二分の償いと再発防止をしっかりやって欲しいと思います。