恋の墓銘碑

 　秋葉原通り魔事件でお亡くなりになった七柱の御霊に哀悼の意を心から捧げる。怪我をされた方々の一日も早いご快癒を祈る。

　白壁の町倉敷の美観地区にその店はある。掘割に面して「倉敷珈琲館」の時代がかった洋風看板。気を止めないと入り口は見過ごして通りすぎてしまう。洋酒を割った濃いマンダリンコーヒーここでしか飲めない絶品。豆を厳選し焙煎し、画家ダリの風貌に似た無口な主人？（まだ健在かな）がネルで濾す珈琲（この字で無いと雰囲気がでない）は香り高く美味しい。

　「タケノコ村」もぜひよりたい店。
　１９７１年ドルショック、オイルショックで、社会に巣立った教え子の知的障がい児達が最初にかたっぱしから解雇されていった。心を痛めたかっての担任　藤岡博昭先生は、退職金と私財をなげうって１９７６倉敷市真備町の山麓に教え子達と入植。公的資金援助を受けず山野を開墾。ランプと山の水、ヤギや鶏を飼い耐乏生活の中から村作りを進める。農耕生活とともに、「備前焼、埴輪」を備前焼作家達の教えうけ制作行程をマスターし陶芸の道をあゆみだす。陶芸家の登竜門「岡山県美術展」に入選多数、県展賞に輝く。「一杯の水を与えられるより、井戸を掘れ」がタケノコ村の哲学。村で焼成した備前焼を「タケノコ村」で販売している。温かいほのぼのとした焼き物が格安で手に入る。　

　美観地区中央にある　「伊勢屋」も魅力的な木のおもちゃのお店である。「組み木おもちゃ」の小黒三郎を筆頭に日本の代表的なクラフト作家の作品が手にとって見れる。他にもドイツのハバ社のおもちゃもある。安全性を考慮した洗練されたデザインは子供たちの創造性を育むことであろうと思う。ちなみに私は孫達のプレゼントに伊勢屋さんから取り寄せている。

　伊勢屋のカタログの表紙にカリール・ジブランの詩　「預言者」が載っている。店主の販売姿勢であろうか。

　　　　　　預言者

　あなたの子どもは、あなたの子どもでもない

　彼らは、人生の希望そのものの息子であり娘である。

　あなたは、彼らに愛情を与えてもいいが、

　あなたの考えを与えてはいけない

　何となれば、彼らは彼ら自身の考えをもっているからだ。

　あなたは、彼らのようになろうとしてもいいが、

　彼らをあなたのようにしようとしてはいけない。