モウさんの社長指南(198) 勇気 元気企業づくりの処方箋
今年は桜を愛でることなく、ゴールデンウィークも駆け足で過ぎ去った。慌ただしいコロナ禍の日々。それでも三日月山の麓には、風薫る新緑の木漏れ陽から今年も山つつじが、五弁の鮮やかなピンクで咲きほこっている。田舎の山つつじに魅せられ、植栽に挑戦し、見事に枯らした苦い思い出が蘇える。400種超のつつじの一つ山つつじは、花屋さんでも探せない。ともあれ、一年の中で過ごしやすい季節なのに、心境複雑だ。全国に新型コロナウイルス感染症緊急事態が、5月31日迄延長する旨発表された。多くの人が仕事やお客様を失い、着地点が見えない不安下の延長戦。意気消沈し、冬眠しているよう。一方では「このままではいけない!」と何かを模索する。見方を変えると、個人にも会社にも色々と考える時間を与えてくれている。日頃走り続けている読者諸氏も、同じかもしれない。感謝すべきか。チャーチル元首相の言葉と想ったら、独国の政治家でもあった文豪ゲーテは「財を失うことは小さく失う。名誉を失うことは大きく失う。勇気を失うことはすべてを失う。」と人間の生き方・価値観・政治観を謳った。「財を失うことは小さく失う」に対し、日本には「カネが物を言う」とある。個人や団体の訴訟問題は、すべて最後は金銭で解決される。訴訟に対する対価の判断が裁判所の重要な役務。当然現地・現場・当事者に触れ、心からのことばなり姿勢を表す事は言を待たない。翻って国民の命を救うために、政府の緊急事態宣言は、従業員や企業の生死を左右しかねない。今こそ「地獄の沙汰も金次第」なのだ。国や県・市の諸保証制度は万全にて当然。例えば雇用調整助成金も、企業の未払い賃金の9割8330円が10割同額とさかのぼって適用する。(金額見直し?) また総務省平成29年「通信利用動向調査」のテレワーク導入率は全体で13.8%も、今年は申請が前年の倍以上。助成金や補助金を徹底して活かす時だ。従業員と企業の命を無くしたら元も子もない。3.⒒東北大震災復興費用は、国民が「復興税」で償還中。命があれば償還できる。次代に存続するため、明日に繋がる負の正義の資産だ。後世に何も恥じることは無い。むしろ、今こそしっかり手当しなければならない。2008年9月のリーマンショック時に学ぶべきことは、景気回復後、それまで従業員を辞めさせた会社に人が集まらず、格差拡大・淘汰の原因を教わったことは記憶に新しい。だから我慢に辛抱がいるのだ。さすればこの感染期を無事健康で乗り切った暁には、一気に笑顔と希望の灯がともる。皆が元気を取り戻し、新しいやり方や進め方が定着する。世界で21番目の労働生産性が覆る。IT化は中小企業の従業員迄かなり浸透する。そして家庭内の愛情が、如何に大きな精神基盤を占めていたかということも、確認するのではないだろうか。物心両面の「禍を転じて福となす」だ。今こそ、私たちが一体となって「勇気」を取り戻す時だと思う。