カテゴリ:読書
にほんブログ村 小田実の「人生の同行者」玄順恵ヒョン・スンヒェは水墨画家です。とても素敵な女性です。 彼女の「私の祖国は世界です」と「われ=われの旅NY・ベルリン・神戸・済州島」を読んだ。 小田は「私の祖国は世界です」の巻末に「まっとうな日本」とまっとうな「コーリアン」とのつきあいとして一文を寄せている。その文が書かれたのが2007年の6月で出版されたのが8月8日付け。そして、小田は7月30日に亡くなってしまった。 生前のBS心の旅や追悼番組も見ていたので知ってる話もある。 二人とも海外に行くには厄介なことがあった。 台湾籍の方も大変だと聞いた事がある。今はどうなのか。 以前の日本人のパスポートには「北朝鮮にはこの旅券は通用しない」とあった。 酷いなと思った。 小田はベトナム反戦運動をしたこと、「人を助ける」ことをしたおかげで「好ましからざる外国人」としてややこしくなった。 日本人でも韓国人でない玄は日本政府の法務省発行の「再入国許可証」を持って旅し、いちいち査証をとって旅せざるを得なかった。 「何でも見てやろう」は知らない間に韓国で翻訳されてベストセラーになっていたそうだ。 だが、ベトナム反戦運動の中で韓国軍から脱走して来た韓国兵を助けたり金芝河や金大中、韓国の民主化を助ける運動を起こしたりして韓国政府の敵となった。 北朝鮮からは64年に韓国に行ったことにより敵となった。ところが韓国の民主化支援をやり出すと、今度は「北朝鮮」から来てくれと言われて行った。それで韓国にとっては余計「敵」となった。 個人は国の政策に翻弄される。 ドイツでお子さんを産んだ玄さん、何と出産費用は無料! 小田さんが亡くなってもうすぐ1年、お寂しいことでしょう。 娘さんのならさんも成長されたでしょう。 小田によると、玄は「コーリアン」としての誇りと自信をもって生きてきた女性。 彼女が嘆かわしく思うのは、彼女の少女時代につきあった日本はもっと大きく開かれた日本だったのが今、日本は誇りと自信を失ってきているのか、偏狭な愛国心に毒された「美しい日本」になりつつあるように見えることだ。彼女が望んでいることは、もう一度日本がおおらかで懐の深い日本に立ち戻ることだ。私はそこになみなみならぬ日本に対する愛情を感じる。と。 カンサンジュンさんも言っていたが70年代の日本は軍事政権の韓国から見たら羨ましい国だった。 若い人を煽るような偏狭な愛国心の押し付けには私も非常に危惧を抱いている。 ヒョン・スンヒェは小田実のことを「ギリシャ人ゾルバに似た男」p50と評している。私が初めて訪れた外国がギリシャで「その男ゾルバ」も好きなミュージカル。 アンソニー・クイーン主演の映画版が有名だけど藤田まこと・市原悦子共演の舞台を観た。 古代ギリシャの喜劇「女の平和」は戦争にうんざりした女性がセックスストライキで男たちの残忍な暴力性をしずめようとするストーリー。 続きは別館で。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.04.21 20:25:09
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