懐かしの怖いゲーム「クロックタワー」SFC
幼少時代の私はサウンドノベルホラー「弟切草」や「学校であった怖い話」をプレイし、あっという間にホラーゲームの魅力にハマっていきました。そして中学生の時に、サウンドノベルとは違った新たな恐怖心を与えてくれたゲームとの出会いがありました。 SFCソフト「クロックタワー」 2000年に倒産したゲームソフトメーカーHUMANから、「クロックタワー」が発売されたのは1995年のことでした。時計塔と言えば、小学生の時に読み漁った江戸川乱歩の著書「塔上の奇術師」の中の、時計塔の大きな時計の針に首を落とされそうになるという情景を思い出してしまい、私には怖いイメージがあります。クロックタワー、そのタイトルだけで私はゾクゾクしていました。主人公ジェニファー・シンプソンは両親を早くに亡くし、孤児院で幼年期を過ごしていた。ジェニファーが14歳になった時、豪邸に住むバロウズという人物がジェニファーを含む4人の少女達の養育先として、彼女らを迎え入れてくれる事になった。孤児院のメアリー先生に連れられて、親友のアン、ローラ、ロッテと共にバロウズ邸を訪れたのだが、メアリー先生が屋敷の主人に挨拶に行くと大広間を出たまま戻って来ない。ジェニファーが様子を見に行こうと大広間から足を踏み出したその時、背後から友人達の悲鳴が!慌ててジェニファーが大広間に戻ると、友人達は忽然と姿を消していた。アクションと言うほどアクションする事がないのでアドベンチャーゲームだそうです。このゲームで敵だと言えるのはたった一人のハサミ男シザーマンのみ。しかしジェニファーは武器を持って戦うわけではないので、基本的に逃げ惑うゲームです。一人目の友人の死体を発見した時、初めてシザーマンとご対面することになり、行った場所や行動でストーリーが変化し、複数のエンディングが用意されています。神出鬼没・不死身シザーマンに追い掛け回されるというのもモチロン恐怖ではありますがこのゲームの怖さはシザーマンそのものの存在より、演出に優れている所だと思います。いつヤツが現われるか分からないので、画面を気にしながら攻略本に目を走らせていると壁にかかっている絵画(ムンクの叫び風)の人物から無音で血が滴り落ちているではありませんか!あまりの怖さに慌てて絵画のある部屋を飛び出してしまいました。他にもテレビの電源が勝手に入る。窓の外の暗闇から目が覗く。マネキンの首が落ちるなど、なんと細かいランダム演出なんでしょう。初めてそれに直面した時は本当に息を呑みました。またシザーマンの姿が見えるより前に、シャキーンシャキーンというハサミの音がフェードインしてくるという音響も恐怖心をかきたてる演出として最高でした。バロウズ邸も北欧のお城のように豪華であるのに、ジメジメとした気色悪い空気が漂っています。SFCソフトなので操作は面倒に思うことも多く、難易度も高いですがあの時代にあれほどの恐怖演出を作り出してくださったHUMANに感謝しています。そして倒産してしまったことを、とても悲しく思っています(; ;)このソフトは1997年にプレイステーションソフトとしてリメイク発売されています。1996年には早くも「クロックタワー2」が発売されましたがそちらもなかなかの傑作でした。その話はまた後ほど・・・。