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あんどうりす の りす便り

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2010年08月02日
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カテゴリ:アウトドアの事故
まだお子さんが生まれたばかりだったとのこと、遭難死というのは、
本当に悲しい事件です。

秩父でのヘリの事故で、気になっていたことを29日にブログ
書きました。

ヘリの事故については報道されていますが、最初に遭難され、
死亡された方の状況があまり詳しく報道されていなかったように
(わたしが知らないだけかもしれませんが)思ったからです。

20センチの位置からの滑落であれば、滑落そのものの
ケガが原因ではなく、滝壺に落ちた事による低体温症による
ものだろうと、おそらく山岳関係者はすぐに理解したように
思うのですが、この時点でもっと低体温症の話がでていたら
今回の事故はなかったのかもしれないと思うととても残念に
思えます。

(後日注 その後の報道からみて、低体温症から
というよりもいわゆる心臓麻痺ではないかと推測されます)

もちろん、ヘリの話が中心になってしまうのはやむをえないところなのですが。。

低体温症については、凍死といまだに紹介、報道されているものもありますが、
決して凍っているわけではありません。
凍死という概念を持ち込むと正しい対策ができなくなってしまいます。


海でも、川でも、山でも、夏でも起こります。

人間は恒温動物なので、低温に対応できないのです。

低体温症は、日常のレジャーでも起こりうるものなので、
山岳知識というのではなく、一般常識になってほしいと
思っています(なので、川遊びレクチャーでは
うるさいくらい説明しています)

結果としての心肺停止も、そして水死も低体温症による
行動不能から起きたものである可能性が高いのです。

単に水死と理解してしまうと、低体温症対策が
とられずに、同じ事故が繰り返されることを心配しています。

また、装備が軽装かどうかについても報道されていますが、

先日も書いたように、

沢に入ることを予定している場合の装備は、低体温症を防ぐため
保温重視の装備になります。

私がこどもと入る程度のレベルのそんなに高くない沢でも

ヘルメット
ロープ(またはスリング)
ハーネス(ハーネスがあればカラビナ系も)
ライフジャケット
ウェットスーツ
沢用の靴

くらいないと、寒くて怖くて入れませーん。

ライフジャケットは保温にもなるので、
沢では手放せません。

以上は、沢に浸かって泳ぐことを前提にしている
キャニオニングの装備。

ただ、日本で昔からある沢登りは山岳の訓練として
行われていた歴史もあって、沢に落ちる、浸かる事を想定していない
装備で行く場合も結構あります。(その分、個人に高いスキルが必要です)

山岳会系「沢登り」の場合でも、ロープやハーネス、かぎ爪のような器具、沢靴 ヘルメットなどは
装備していると思います(同行したことはないので、定かではないですが、高いスキルの人たちが行っているものという印象なので、装備もテクニックもきちんとしているのだろうと推測しています)

さらに、尾根道歩きは全然また違います。

半袖で沢にはいるのはありえない装備ですが、夏山に登る程度なら
十分ありえます。


ですので、「装備が軽装だった」「そうではなかった」
という場合、どこにどのように入る予定だったかによって
どちらともいえないです。そこが詳しく書いてある報道であれば
今後の一般的な教訓にもなるのではと思います。

山を知っていたといっても、沢はまた全く別な知識が必要です。

また、2時間で低体温症になると今回の報道ではありますが、
これは、山で雨に濡れた場合のデータなのでは?(トムラウシの事故で
2時間というデータもでてきましたが、いままでの知見よりも
かなり急速に低体温症がすすむこともわかってきました)



濡れると体温が奪われるのは、伝導という方法によるわけですが、
空気の中にいるよりも、25倍前後の早さで体温が奪われるといいます。

そして、低体温症として、命にかかわる分水嶺が体温34度といわれています。

沢の低い温度で、浸かっていて、体温が34度になるのに、
2時間もいらないと体験的に思います。

理論的ではなくて、申し訳ないですが。。

(補足 報道であるのは、沢でも2時間弱で低体温症で死亡との
ことですので、低体温症になるまでの時間というよりも
死亡する時間という事に読めました。ですので
間違いというわけではなさそうです。ただ、私がもっと広めて
ほしいと思うのは、死亡までの時間よりも低体温症になる
までの時間。2時間まで大丈夫という認識になってしまったら
まずいのではないかという思いです。

個人的体感としては5分以上浸かっていたら危険を
感じます。低体温症は急激にすすむといわれており、
34度で即、治療開始しなければ助かる可能性が低い
といわれています。ですので、低体温症の予防となるような知恵を
広めた方がいいと切に思っています。)

キャニオニング用の保温の装備をしていなかった場合、沢に落ちたら、
ほんとうにあっというまに低体温症だと思うのです。

滝壺ならなおさら、下に巻き込む特殊な水流もありますし、
気泡によって、水の比重が軽くなり、身体が浮きにくくなります。
ライフジャケット(フローティングベスト)なしで自力で浮かぶのは困難。

(これは、親から子に伝えたい知恵だと思っています。
ジャグジーバスにはいってみると、下からの水流であっても
身体が浮きにくくなります!!!!!温泉やスパで、体験して、
こどもにきちんと伝えておきたいです)

この事件については、その他にももしも、ああだったらと
思う所はたくさんあるのですが、それはまたアウトドアのレクチャーの
際にでも。。


これだけは知っておいていただきたい低体温症になった場合の知恵。

心臓停止になった場合でも低体温症が原因の場合は、心臓マッサージが
通常以上に有効といわれています。
通常マッサージを2時間以上行うことは稀ですが、2時間のマッサージで
蘇生例があります。

水難事故の場合も、溺死といわれているものの中には低体温症が
原因のものが多くあるといわれています。

感覚や意識がなくなり、手足が動かなくなるので、泳げなくなってしまうのです。

水をがぼがぼ飲んだからおぼれているだけではないのです。

根気づよく心臓マッサージを続けてみようと私は思っています。


最後に

事故の報道の場合、いろいろな情報が含まれているほうがいいともいえますが、
刑事責任追求の要件や民事責任追及の要件となる議論と、
今後の教訓になるべき議論をわけたほうがよいのではと
思っています。

責任の議論に関心が集まりすぎると、教訓が伝わらず、
同じ事故ばかり繰り返されています。

情報を発信する側もそうですが、受け取るほうも、そこを
意識しておくと、見えてくるものがあると思っています。













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Last updated  2010年08月03日 17時22分14秒
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