696246 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

未音亭日記

未音亭日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

未音亭

未音亭

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

 未音亭@ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) tekutekuさんへ これまた情報ありがとうご…
 tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…
 tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…
 未音亭@ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) Todorokiさんへ コメントありがとうござい…

フリーページ

ニューストピックス

2017年01月15日
XML
カテゴリ:音楽
昨年11月末〜12月初めに通販サイトで頼んでおいた楽譜、忘れかけた頃になって(年末年始にかけて)到着しました。一つはエマニュエル・バッハの「ビュッテンベルク・ソナタ集」で、ベーレンライターから出ているもの。とはいえ、亭主にとり最も嬉しかったのがもう一方の表題の楽譜(ウジュル版)です。(亭主は以前に「バルバトル」と表記しましたが、どうやら「バルバートル」と音引を入れる方が一般的なようです。)



この楽譜、一時期(2年ほど前に)随分探したものの、どこの通販サイトを覗いてもなぜか「品切れ」や「入荷未定」となっていて、そのうち諦めてしまったのですが、昨年秋に朝のラジオで取り上げられたのがきっかけでまたぞろ探し始めたところ、ディアレッツォ(di-arezzo)という通販サイトで注文を受けているのを発見、早速発注をかけました。ところが、数日後には(案の定)「currently unavailable」のメールが来てガックリ。とはいえ、メールをよく読むと、2〜3週間ぐらいで入荷するはずだから到着次第発送するとあります。半信半疑、どうせまたキャンセルになるだけだろうと思っていたところ、新年になってA4ノビサイズのそれらしき国際郵便が到着。中身を見て思わずガッツポーズです。

この通販サイト、日本語を含むマルチリンガル対応で何となく国籍不明の会社ですが、調べてみるとパリに本拠地を置いているとあり、どうやら同じパリにあるウジュル社(だいぶ前にアルフォンス・ルデュック社に買収されて、現在はブランド名のみ)へのアクセスがよい(?)ことがうまく落手できた要因ではないかと推測しています。

といわけで、久しぶりに時間ができたこの週末は、ハープシコードでバルバートル三昧。

ちなみに、ウジュル版の校訂者はカリフォルニア大バークレー校のアラン・カーティス。序文の日付は1973年となっており、彼が同じウジュル版でルイ・クープランの校訂譜を出してから3年後のことです。その冒頭で曰く、「ワーグナーやシェンカーに感化された人々にとって、バルバートルの音楽は耐え難く軽薄なものに見えるだろう。しかしながら、デュフリのクラヴサン曲集出版を喜んだ者は、この巻の中に多大な楽しみを見出すだろう。デュフリと同じく、バルバートルは最も純粋にフランス的で旧式な時に彼の最上のものを発揮する。実際、デュフリのLa ForquerayとバルバートルのLa d’Hericourtは1750年代の作品群の中でも最上の部類に属する。とはいえ、いくつかのより軽く「現代的な」作品はその質においてほぼ同じぐらい見事である。ほとんどのイタリア式のジグは—スカルラッティには期待すらできない—極度に自己陶酔的で魅力的なLa Lugeacに及ばない。」

この校訂譜には全部で23曲が収められており、1曲目のフーガ(オルガン用)は1748年(1750年にバルバートルがパリに来る前)の作品、2から18曲目までは1759年に出版された「クラヴサン曲集」から、残りは1777年以降に作られた作品から取られています。特に、21曲目にクラヴサンまたはピアノとヴァイオリン、通奏低音、その他によるソナタ(室内楽)が収められているところなどは、カーティスがバルバートルの全体像を示そうという意図の表れかもしれません。

また、最後の23曲目は誰もがおなじみのフランス国歌「マルセイエーズ」の鍵盤アレンジで、フランス革命の後にかつての「王室音楽家」が革命政府に何とか取り入ろうとした(?)涙ぐましい努力の跡として興味深いものがあります。

ところで、この記事を書くに際してネットで調べたところ、アラン・カーティスさんは残念なことに最近(2015年7月)亡くなられていたことを知りました。彼の素晴らしい仕事に感謝するとともに、遅まきながらご冥福をお祈りしたいと思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017年01月15日 21時56分00秒
コメント(0) | コメントを書く
[音楽] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.