行ってみたい、見てみたい!伝統行事
3月1日から、奈良東大寺二月堂で毎年恒例の「お水取り」が始まりました。毎年3月1日から14日までおこなわれているそうです。この伝統行事、今年でなんと1.254回目になるそうです。1,254年以上続いている行事・・・なんと膨大な年月なのでしょう。この伝統行事については、「奈良発見/ガイドと生活」というホームページのなかで、http://tokyo.cool.ne.jp/nara_hakken/gyouji-moyoosi/omizutori.htmこのページで詳しく説明されています。テレビで紹介される華やかな場面しか知らなかった私にとっては読破するのに苦労するほどとっても詳しく書かれていて、勉強になりますです。ちょぴっと抜粋すると、「お水取り」とは正式には「修二会(しゅにえ)」といい、大きな松明を使うところから「おたいまつ」と呼んだり、13日早朝に本尊に捧げる1年間の香水を若狭井という井戸から汲み上げるところから「お水取り」と呼んだりするそうです。関西に春を告げる行事として有名で、お水取りが過ぎないと本当の春は来ないと信じられています。行事は、2月20日から月末までの「前行」と、3月1日から14日までの「本行」とからなります。修二会とは、一口に言うと寺と僧、そして社会の1年の準備で、水の外に南天や椿の造花約400個などの行の必要物品を作ったり声明の練習をしたり、そして精神的なものと両方やるということで、「前行」では本行のための準備をし、「本行」では、1日に6回の行(「六時の行法」という)を行います。この六時とは、「日中、日没、初夜、半夜、後夜、晨朝」です。 修二会の意味は、十一面神咒心経(しんじゅしんぎょう、玄奘三蔵訳)にもとづくものでその本尊である十一面観音の前で全ての罪や過ちを懺悔することにあります。これは11人の練行衆(参篭、おこもりする修行僧)が人々に代わり本尊に個人だけでなく国家や社会が犯した全ての罪や過ちをざんげし罪障の消滅とともに仏の加護を願うという、悔過を行い国家の隆昌を祈るのだそうです。 この時、練行衆は数珠をすって礼拝しながら十一面悔過の声明を唱え本尊の四周をめぐります。これは多くの人々や国家の罪や汚れをはらうと同時に、それらの人々の除病延命を祈るための行なのだそうです。その中で僧と寺と仏教と国民と国家がつながり、それぞれの反省とリフレッシュがされ繁栄を祈る。これが修二会の核心部分であり、お松明はその一部なのです。実は本行は、二月堂の中で行われているのでした。おたいまつは、3月1日から14日まで毎日、初夜の行法(大体19時~20時)に練行衆が堂に上がる時の案内に使われます。テレビでよく放映される、大きな松明が二月堂の外側の階段を上がって廊下を火の粉を降らせながらだぁーっと移動する、勇壮で華麗な例の場面がそうなんですね。私としてはあの華やかな場面がメインなのかと思っていたのですが、実はおたいまつは各日のクライマックスとなる初夜の行へ二月堂に上がるための灯りにすぎないもので、それを二月堂の周囲の舞台で炎の華やかな演出をしたものであり、火の粉を浴びると1年間幸いと健康を得られるというのも宗教的根拠はないと実は東大寺は言っているそうです。さて、このおたいまつは、なんと毎日10本上がり、全長約6メートル、重さ約40キログラムもありますが、12日だけは、これから「お水取り」の行なわれる日であることから、通常より大きな、全長約8メートル、周囲約30センチ(直径10センチ)、重さ約80キログラムのものを11本上げるそうです!!この松明は、通常より大きいために、竹で編んだ篭を松明に被せたので、篭松明と呼ばれています(篭の直径約80センチ)。ご利益なんかないよ、と言われようと、一度はこの目で見てみたいなぁ~!!と思ってしまいます。世界中に色々な伝統行事やお祭りがありますが、日本にだってこんなすばらしい、価値あるものがあるんですね。ほかにも行ってみたい伝統的な行事やお祭りっていっぱいあります。京都の大文字焼きとか、祇園祭とか、博多どんたく、風の盆、ねぷた祭りに札幌雪祭り・・・いつかこれらのどれかをこの目で見られる日は来るのでしょうか。隠居になってからじゃないと無理かな・・・