贅沢【贅沢】先日、岐阜県の山奥に紅葉を見にハイキングに行って来た。 ハイキングと言ってもかなりのハードスケジュールである。 深夜12時に仕事が終わってすぐ出発し車を走らせること約4時間、 新穂高温泉の無料駐車場に車を置きすぐにハイキング開始。 プラネタリウムよりもきれいな満天の星空の下をライト片手に歩く。 おまけに幾筋もの流れ星。 森の中で朝を迎え4時間ほど登ると標高2200mあたりのちょっとした開けた場所に着く。 ここからは中央アルプスの山々が180度見渡せるので 俺のお気に入りの昼寝スポットになっている。 人工的な音が何1つ聞こえない。鳥の声、風の音、葉の擦れ合う音。 頭の中に仕事の事は何1つ思い浮かべない、いや、浮かばない。 誰もいない。すごく贅沢な気分だ。 俺はアンチケータイ派だ。これから先も持とうとは思わない。 こんな場所でケータイを持ってる人達はどう過ごすのだろう? (といっても今や持ってない俺の方が奇妙に見られるが) 「今ハイキングで山にいるよ。紅葉がきれい。そっちは何してる?」とかメールして 画像なんかを送るんだろうか? 数分後に着メロが鳴って返事が来る。その電子音はあまりにその場所にふさわしくない。 そんなふうに繋がる事で人は安心するんだろう。 いつから【あれば便利】が【なければ不便】になり、 なければ不安な【必需品】に変わったのだろう。 3~4時間そこで過ごして下山を始めた。 俺は時計を持つのも嫌いなので感覚や太陽の動き具合で時間を読む。 今回の目的はもう1つあった。麓の山小屋でラーメンを食べることだ。 麓といってもここへ来る途中の、つまり駐車場から1時間半歩かねば来れない、 森の中にひっそり建っている山小屋である。 黄金色になったブナの葉が風に吹かれてはらはらと舞い、自然の輪廻を告げる。 黄色い蝶が無数に飛んでいるようにも見える。 そんな小屋の軒先のテーブルで食べるラーメンは、 バッハが静かに流れて夜景が一望出来る高級レストランのフルコースよりも美味い。 あ、いや、これは憶測である。 だって俺はそんなトコで食事したことねえからな。 夕方までに駐車場に戻り、最後の贅沢スポットに向かう。 これまた林の中にひっそりとある秘境の(超マイナーとも言う)露天風呂である。 今まで何度も行ったことあるが他の入浴客を今まで見たことはない。 すごく広くて最高の湯加減だというのは間違いないのだが。 高いモノを買うとか良いモノを持つってだけが贅沢じゃない。 皆さんは何を贅沢と呼ぶのだろう?今1度考えてみるのもいいかも知れない。 |