葬儀のマナー【葬儀のマナー】高校時代から親しくしている友人の父親が亡くなられたのでお通夜に夫婦で揃って参列した。 葬儀場の場所をネットで検索して行ったのだが、その場所に葬儀場はなかった。 あとで分かったがその式場は数年前にリニューアル移転をして以来HPの更新をしてなかったのだ。 近所の人に尋ねて移転を知り、何とか時間前に到着してお通夜が済み「皆さん、まあこちらに」と 式場内にある控え室で食事をいただくことになって座敷に足を踏み入れた。 俺としては馴染みの友人どもが集まっているだけなので懐かしい面々に会ったという感じはなかったが、 同行した俺のヨメが「あ!タツヤくん、ヒサシくん、お久し振りじゃん!」と声をあげ (注:そこに居合わせた友人達も俺のヨメも同じ高校出身) それを合図にしたようにお通夜どころかクラス会モードへと突入していったのである。 「やあ、じゃんじゃん食え!」「(葬儀場のスタッフに)ネエちゃん、ビールこっちも!」などと大騒ぎである。 こういう時は女の方がすごい。男はこういう場ではしんみりしたフリをして言葉少なめになるものだが 女は「まあ泣いててもしょうがない、食べましょうや飲みましょうやワッショイワッショイ!」である。 確かに遺族としても死んだ本人にしても本当はその方がいいのである。 「ワタシが死んでもいつまでも悲しまないでおくれ、笑っておくれ」と思うのが死人の本望であろう。 さて、今回は一客人として参列したが数年前に伯父が死んだ時はヤバかった。 その時は受付をやったのだが、店をやっている俺には商売上のクセが滲み込んでおり 参列者が香典を持って受付に来る度に「いらっしゃいませ」とか「3万円お預かりします」などと そんなけしからん言葉が危うく口から出そうになってヒヤヒヤしていたのである。 何はともあれ葬儀でツラいのは悲しみを堪えるばかりではない。 横にいる奴がボソッとギャグを言ったのが思い切りツボにハマってしまったり、 参列者が立ち上がる瞬間にズボンの股が破れるのを見てしまって笑いを堪えるのもツラいものだ。 恐らく電車内で腹痛になり便意をもよおすと同じレベルでツラいのである。 「葬儀参列中に笑いを堪える」これはマジにキツい。肩が上下に揺れてしまうのだ。 横隔膜は痙攣を起こし、声をあげることも許されないその状況を打破するには、 いっそのこと号泣に見せかけるという苦肉の策もあるのだがそれはさすがにワザとらしい。 もはや涙を堪えて太ももの肉がちぎれんばかりにツネって耐えるしかないのだ。 そんなワケで俺は葬儀に出る際はこの地獄の苦しみを他人にも受けてもらおうと思い、 いつも虎視眈々と笑わせる獲物を狙っている次第である。 ジャンル別一覧
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