台風【台風】毎年この時期に台風がやって来ると不謹慎にもワクワクする。 自宅の雨どいがガッポガッポと水を吐き出し街路樹が大きく揺れていると、 外の景色を見るために窓を細く開けたりして眺めたりするのだが ヨメからは「ちょっと!雨が降り込んで来るで開けんどいて」と叱られたりする。 そうしてテレビで台風情報を見ると「現在台風は四国沖を北東に向けて進んでおり・・・」 お~!来るよ来るよ~、東海地方直撃だよ、明日学校休みかな?俺の仕事も休みになんねえかな、と 子供と一緒に何だかお祭り気分でテンション上がっちゃうのである。 そういえば子供の時に教室にいて、警報が出たので授業打ち切りで下校って放送が入ると みんな「やったあ~!」って大騒ぎして喜んだよねえ。 わざと深い水溜まりを歩いてびしょびしょになって家に帰ったりさ。 さて、テレビでは室戸岬で生中継してるレポーターもヘルメットをかぶり叫んでいる。 「現在海岸には強い波が押し寄せ、猛烈な突風で立っていられないほどです!」 その割にはレポーターの後ろに映ってる道では一般市民が普通に歩いてたりする。(笑) そしてよくあるのが「用水路を見に行った男性が行方不明」というやつだ。 台風のたびに同じ事故が起こるわけだが、そして見に行きたい気もちょっと分かるが、 実は俺はその事故の背景に「配偶者による確信犯的な策略」がある気がしてならない。 定年後いつも家でゴロゴロしててうだつのあがらない夫にホトホトうんざりしており、 かといって今更離婚するわけにもいかず、もちろん自分の手を汚して葬ることなど出来ず、 いっそ死んでくれたら生命保険入るんだが、何かいい手はないものか・・・。 そこで台風の日には「ちょいとアンタ、用水路あふれてないかアタシャ心配で・・・」 男の野次馬根性および「俺をあてにしてるな」という自尊心をくすぐる一言である。 で男はまんまと氾濫した用水路の餌食になる、というのは俺の考え過ぎだろうか? あと台風の風物詩ともいえる「サーファーが沖に流され救助」な、またかよ。 往年のサーファー名作映画「ビッグ・ウェンズデー」みてえにはいかねえってば。 ところで肝心の台風、翌朝にはすっかり進路を変えて熱帯低気圧となり台風一過の秋晴れ。 子供達も俺も何かちょっとガッカリの気分である。 出勤のため外に出ると、ま、まぶしい・・・。空はきれいに澄み渡っている。 このキマリの悪いようなまぶしさはまるで朝ラブホテルから出てくる気分、 という例えは子供の読者のためにここでは書かないことにしよう。(照れ) |