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nomination1103

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2005年12月18日
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ヨガのせいで全身が激しい筋肉痛に見舞われているが、年の瀬も押し迫っているので年賀状に取り掛からねばならぬ。今日半日で、やっと裏面のみを仕上げることができた。

いろいろ迷ったのだが、今年から、年賀葉書と、年賀メールの2本立てで行くことに決めた。年々枚数が増えてきて、作業が負担になっていることと、確かに紙の年賀状を頂くのも嬉しいのだが、それよりも、日頃のお付き合いがあまりない友人、知人についても、年に一度、メールアドレスをお互いに確認する方が、これからの時代は余程意味があるのではないか、と思ったからだ。不着だった場合は、それから年賀状を送れば済む訳だし。

とはいえ、人によってその辺の考え方・感じ方はいろいろだろう。中には、「両国さくら(仮名)さん、手抜きじゃないの」と思われる向きもあるかもしれない。私の独断と偏見により、この人ならメールでもご容赦頂けるのではないかと思われる方、私よりも若い方のうち何人かの方をメールに変えさせて頂いておりますので、何卒ご了解下さいm(__)m



昨日の話になるが、横浜美術館で開催されている「李兎煥 余白の芸術」の感想を少し。

ネットで検索してみたのだが、どうやらあまりこの展示会の感想はアップされていないようである。たぶん、多くの若い人にとっては、李氏の作品群は非常に単調なものに感じられたのだろう。

それと、1960年代末から70年代にかけてに盛んだった「もの派」のムーブメントの意味が、その時代にリアルタイムで身を置いていない人には実感としてわかりにくいのではないか、という風に思うのだ。

「もの派」という言葉の意味の説明が、大日本印刷さんのホームページ「ARTSCAPE」の中の現代美術用語集に掲載されていたので、ご覧頂きたい。「もの派」には、ほとんど手を加えられていない石や木や鉄などが並んでいるだけのように見える作品も多いが、そういう作風は、第二次世界大戦を引き起こした西欧の近代文明のあり方、人間の力を持ってすれば何でも可能である、といったような科学万能主義への批判から出発しているものだという。

今回の展示会は、2000年以降、特に今年になって制作した新作が中心で、李氏がこの展示会に並々ならぬ意欲を持って臨まれたことを伺わせる内容になっている。

作品は、大きく言って2タイプあった。1種類は、絵画。それも、白い大きなパネルの真ん中から少し下くらいの位置にグレー1色を塗りこめたものが多い(タイトルは「照応」と付けられていた)。

絵画というよりは、書のようにも見えるその絵だが、一筆描きではなく、一度色を塗り、数日置いてまた色を重ね塗りし、という作業を何度か繰り返して制作したものらしい。

一見不作為に見えるが、実は計算され作り込まれたものなのだ。

もう1種類は、自然石と鉄、場合によっては木も合わせて地面の上に並べた作品群。「関係性」というタイトルのシリーズだ。3つの石が3角形の頂点の位置に置かれ、その間を湾曲した鉄パイプでつないだ「関係項ー張り合い」とか、石と、向かって右下が少しだけ床から持ち上がった鉄板が少し離れた位置で向かい合っている「関係項ー彼と彼女」とか。屏風状の鉄板の前と後ろに石が1個ずつ置いてある「関係項ーメディテーション」が私は一番いいなと思ったのだが。

前述のシリーズが書だとすれば、こちらは竜安寺の石庭のような趣だ。

一見静かに見えるが、その実、非常に強いエネルギーを放っている作品達。李氏は西欧とも日本とも、母国の韓国とも一定の距離を保っていると、展示会場に掲示していた説明文には書いてあったが、アジア的な伝統文化の影響を色濃く反映した作品だと見て間違いはないように思う。

李氏の語録の中に、「在らしめようとする力と無に帰そうとする力の激しい張り合いは美しい」という一節があった。今ここにずっと座っているが、いつバランスを崩してしまうか、いつその磁場から飛び出してしまうかわからない石の姿は、世の中の種々雑多な物事の暗喩に見える。

そして、最後には、とうとう李氏の「グレー」は、キャンバスから展示会場の壁面に飛び出してしまった!最後の作品、「関係項ー照応」は、展示会場の大きな白い壁面3方に描かれていたのである。展示会が終わったら、この作品はどうなっちゃうの?、と、思わず考えてしまったのだが。

同展の見所はもう一つ。戸外にも作品が3点設置されていることである。もの派の作品はパーテーションで区切った狭いところで見るよりも、外の方が似合うような気もする。外に出ると、本当に石庭の現代版のようだ。これを展示会終了後撤去するのはもったいないくらいである。

ゆったりとした気分になりたい方、ちょっぴり哲学したい方にはお勧めの展示会です。



PSその1
関西方面の方は、今、国立国際美術館で「もの派ー再考」という展示会をやっているので、そちらでも李氏の作品は見ることが出来るようだ。

その2
今日のエントリに関連して、水戸芸術館の森学芸員のブログ「MORI channel」の中に、参考になると思われるエントリがあったので、リンク&トラックバックさせて頂きましたm(__)m

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最終更新日  2005年12月18日 23時26分04秒
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