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闇の帝王リュシュールドの野望により地上界は色を失い変化していた。 天空は覆われた漆黒の雲により光を遮られていたのである。
自らの意識の世界を封じ込めたアウルートは兄リュシュールドを倒すべく 戦いが有利になると判断した外界即ち地上界に戦士たちを誘導した。
予想以上に 荒れ果て漆黒の闇の中を吹く風はおどろおどろしいさまを見せていた。 初めに銀の戦士アレイオンが地に降り立った。
ここが地上界とは信じられぬ
体に打ち付ける強風を避けるようにアレイオンは手で顔を覆った。
次に命尽きたエンジェルを愛おしそうな面持ちで 抱き上げた黄金の戦士エウレオンが姿を現した。
金の戦士アレイアは漆黒の狭間からやわらかな光を八方に放ちながら 浮かび上がるように次第に美しい姿を現していた。 アウルートの呼びかけに応じ永遠の宮殿を後にしたアレイアだった。 しかし アレイアが見たものは腰を下ろしたエウレオンの腕に抱かれていた 身動きしないエンジェルの儚い姿だった。 エンジェルの傍に駆け寄り息絶えていることを確認したアレイアは 愕然として肩を落とし悲痛に美しい瞳を潤わせ肩を小さく震わせていた。 その様子を心痛の思いで見つめていたエウレオンは声を掛けた。
一度はリュシュールドを倒したが蘇ったその手にかかり 命を失った・・・
エウレオンは悲しみの底に突き落とされていた。
ああ エンジェル・・・
ふたごの姉の名を呼ぶアレイアは悲しみに囚われていた。 その時 アレイアは肩にふれる手を感じ思わず振り返った。
案じていたが無事で良かった
この上なくやさしいまなざしで見つめていたアレイオンは アレイアの手を取り引き寄せ抱きしめた。
永遠の宮殿のリュシュールドに囚われ緊迫した状況だったアレイアは アレイオンへの思いもさることながら考える余裕も正直なかったのである。 こうして最愛のアレイオンに腕の中に抱きしめられ感じる熱い胸の内は 戦場からひと時解放された和みのものに変わった。 しかし 地上界も戦場に相違なかった。 さらにイオフリートが傷つき緊迫した状況に陥っていたのである。
案の定 アウルートが予想していたとおり 意識の世界を突破し地上界にやってきた三人のリュシュールドの気配を 早くも感じていたのである。 重傷を負っているイオフリートを見過ごすことはできない。 アウルートはリュシュールドの手から瞬時に逃れイオフリートを担ぎ 安全だと思う場所に隠していた。
刻々とその時はやってきた。 戦士たちの光のオーラに誘い寄せられるように闇は気配を隠しながら 地上界への裂けめをくぐり這い出しながら頭部を次は体を現しながら出でていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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