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カテゴリ:トライ・トラベル・トラブル
今年の連休も、我家は東北である。
東北がいかにお気に入りかは、去年散々書いた。 特に、3年前、仙台に単身赴任していた主人は、第二の故郷のように思っている。 彼の愛読書はスーパーマップル「東北」である(~_~;)。 地図を広げては、あそこに行った、ここがどうだ、と薀蓄を言いながら、ビールを飲むのが至福の時らしい。 類は友を呼ぶ(?)。私も東北にすっかり魅了されてしまった。 何よりも、冬が好きな私にとって「冬が長い」のは最大のポイントだ。 いつかは、仙台に住みたい。と本気で思っている。 さて、東北旅行。 今年は祝日に恵まれた私達、去年の2泊3日、プラス車中1泊、夜通し走る旅行から、だいぶ格上げとなった。 とはいえ、3月は決算でヘロヘロ、なかなか予定が決まらないのは毎度のこと、最終的に宿が全て決まったのはなんと出発の前日である(^_^;) なかなか5日も旅行に出るなんてできない、今回は欲張って、青森まで行くつもりである。 けれども、メインイベントは今年も「ウミネコパン」 いったい、いつまでリフレインするつもりなのか、我が亭主よ・・・ とにかく、ベストのタイミングで、ベストのコンディションで、浄土が浜の遊覧船に乗りたいようだ。 遅く訪れた東北の春。 「春に三日の晴れなし」という言葉を、今年覚えた。 4泊5日の旅行の、どのタイミングで、「ウミネコパン」を持ってくるか。が、この旅行の勝敗(?)を左右する。 4月も終わりに近づく頃には、天気予報士になれるくらい、東北の天気に詳しくなっている主人。 そして、その時がきた。 朝、給油に手間取って、少し出発が遅れた。 盛岡から宮古までは100キロ弱。1本道である。 前日の夜中、盛岡に入り、ビジネス旅館の向かいのラーメン屋で、遅い夕食を取った。 ビールが入ると、とたんに人懐こくなる主人が、店主に話しかけた。 「宮古まで車で2時間くらいですかね・・・」 「いや、1時間半で行くよ。」 なんと、ラーメン屋のおっちゃん、元競輪の選手だそうで、宮古まで自転車で行くのだそうだ。 引退して10数年だそうだが、主人がノセると、カウンターの中で、昔鍛えた脹脛(ふくらはぎ)をズボンをまくって見せてくれた。 拳骨がくっついているような、強靭な脹脛だ。 今でも、ママチャリで店まで来るとき、近所のガキには負けないそうだ。 あまりに早くて、中坊が舌を巻くそうな。 そのおっちゃんの「1時間半」を真に受けた私達がバカだった。 彼は「自転車」で「時速80キロ」で宮古まで「練習で毎日のように」行っていたのだ。 1年に一度、車で行く私達と条件が違うじゃん。 浄土が浜の遊覧船の始発は8:40。 どう急いだって1本道。ギリギリである。 盛岡市内の満開の桜に喜んでいた主人だったが、だんだん無口になってきた。 飛ばしに飛ばして、なんとか宮古に入ったのが8時20分。 あと20分。 駐車場に到着!あと15分。 チッチを降ろし、ワンコカートを出して。 デジカメ持った?財布は? それ行けっ!!! 遊覧船にこんなに気合を入れている40歳中年夫婦(^_^;) 「間に合った!!」 チケットを買って、乗船口まで、転がるように走っていく。 チッチは、やっと車を降りたと思ったら、走る走る~、で、ビックリしている。 チッチをワンコカートに入れる。乗船の時には、係りのおじさんがタイヤの所を持ってくれた。 船着場の雰囲気も、全てが初めて来た日のままだ。 甲板の一番右端を陣取る。パンを投げるのにはここが一番なのだ。 さあ!出港だ!! エンジン音で、もうウミネコが集まり始める。 ちゃっかりしたヤツは、船の屋根に乗って、パンが出てくるのを待っている。 今までなら、オジサンがウミネコパンを売りに来るのを待つのだが、もう待ちきれない。 リュックから、途中で仕入れた食パンをこっそりちぎって、投げてみる。 ガアガアとお腹を空かせたウミネコが飛んでくる。 始めは控えめに、ちょっとだけつまんでは投げていたが、それではもう間に合わない。 何十羽というウミネコが、船を追いかけだした。 他のお客さんは、私と主人が夢中になってパンを投げているのを呆れ顔で見ている。 こんな楽しいこと、なんで他の人はしないのかなあ?? 2斤買った食パンはあっという間になくなり、ウミネコパンをどんどん買い足す。 おじさんに「毎年、コレが楽しみで来るのよ」と言うと、日に焼けた顔でニッコリ笑った。 天気はいいが風が強い。 折り返し地点では、船が大きく揺れ、チッチのカートに躓き、転びそうになった。 チッチは「迷惑だワン、ボクはちっとも面白くないよ」と不満げにしている。 ちぎったパンを一つ入れてやると目を見開いて食べている。 ウミネコパンは、海草などを練りこみ、ちょっと磯の味。 去年と違ったのが、途中から鳶(トンビ)が乱入したことだ。 鳶も、パンを狙って来るのだが、狡猾で、後ろから来るので、かなりスリルがある。 私はモタモタしていたので、ナメられたのか、鳶にどつかれた。 あっという間の40分の周遊を終え、船着場に船が帰っていく。 大興奮の主人は、うれしそうに言う。 「あー、始発に間に合ってよかったっ」 「でもさ、すぐに次が出るから、そんなに慌てなくてもいいじゃん?」 「だって、始発が一番、ウミネコが腹減らしているだろ?」 私は口をあんぐりあけてしまった。 そうか、そこまで考えてたのか・・・ ウミネコたちの腹具合まで・・・ ツワモノである。 裏チッチに、船を追いかけるウミネコの動画をアップしたよ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.05.09 08:39:18
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