205628 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ラブレターフロームカナダ

ラブレターフロームカナダ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

オコ2829

オコ2829

カテゴリ

フリーページ

2007年07月10日
XML

私は低い声で、、


「ええ、初めてやった、、、、

ロベルトが初めてやった、、、」



「え、でも、道子さん、ジミーと全ての初体験を
高校の時に済ませたって、、」



私は菊ちゃんの言葉を最後まで気聞かずに、
自分のバッグを掴むと、
急いで店を出た。



夜中を過ぎても人通りが多い
金曜日のロブソンを一人小走りに歩いた、、。

楽しくなるはずだった飲み会も
かなり後味の悪いものになり、

空を見上げると星がひかり、
それを見たと同時に
涙が頬を伝った。


もちろんのこと、
誰も私を追いかけてこない、、、
百合はロベルトを追い、
菊ちゃんはジュンと帰る、

どうしてもっと早く家に帰らなかったのだろうかと
馬鹿な自分を後悔していた。




「ヘイ、ガ~ル!」


後ろを振り向くと、
少し酔った感じの二人のカナディアンが
私に話しかけてきたのだ。


そのうちの一人が私に近寄り、
顔を覗き込むように

「ねね、いくら?」

と聞いてきた。

「え?いくら?」

その言葉の意味が今ひとつ分からず、
私が聞き返すと、

「お姉ちゃんいくらなのよ?」

と、もう一人の男性がにやけながら聞いてきたのだ。


彼らの言葉を無視するように
私は何も言わずに小走りに再び歩き出した。

私の背後からは
気持ちの悪い笑い声が響き、
私はその声が聞こえなくなるまで
後ろを振り向かずに歩いた。



「娼婦かあ、、、」

溜息交じりにそんな言葉が
唇からこぼれてきた。

明るいネオンに照らし出された自分の姿が
ショーウインドウに写る、、、

「峰不二子ワンピ」

のパンツ丈は
醜いぐらいにまくりあがり、
フロントのジッパーは上半身の半分まで下がっていた。

自分が見ても気持ち悪すぎるその格好が
今更なながら恥ずかしくなってきていた、、。



何のために何を求めて
こんな格好をしていたのだろう、、

今まで自分に尋ねたことの無い
質問が頭に浮かんだ、、


今までの男縁の無かった自分の過去を封印するように
高校を卒業してからは、
変に自分をなよなよさせて
男に媚を売るように生きてきた自分。

今夜の私は、
男に相手にされたい、男にかまって欲しいという
下心でこれを着ていたんだ、

だからロベルトとああなったからといって、
道端で娼婦に間違われたからといって
誰も責めるわけにもいかないんだ、、



自分の姿がかなり情けなく、
私はまくりあがったパンツのグッと裾をひっぱると
急いでタクシーを捕まえた。


                            続く



ランキングに参加してます^^よろしくです^^
人気blogランキングへ







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年07月21日 07時50分40秒
コメント(6) | コメントを書く
[鬼のパンティ、道子の日記2] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.