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西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2006/07/03
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カテゴリ:スポーツ
ポルトガルとイングランドの試合。

延長でも決まらず,PK戦。

一進一退の攻防。

結局ポルトガルが勝った。 見応えのある試合だった。



サッカーのPKをみていていつも思うのはサッカー選手はメンタルが弱いなということ。

トップクラスのテニスプレーヤーのメンタルの強さと比べると比較にならないほど弱い。

それはテニスの方がサッカーより上といっているうのではない。

それはサッカーという競技がいつも動いてるため,停まったときに起こる“不要な思考をコントロールする術”を発達させずに済むからに他ならない。

その技術についてはいろいろ言いたいことはあるがここでは割愛。

一つだけ言えば,いくらふつうにPKの練習をしても駄目なのである。

なぜならキックの技術の問題じゃないからだ。

通常の状況であれば,まずはずさないだろう。国の代表になるような人たちばかりなのだから。何千万何億というお金をもらっているプロなのだから。

普段ならおそらくキーパーを手玉にとれるはずだ。

しかし,はずしてしまう。とめられる。

なぜか。

呑まれているのである。最初から。


W杯のPK戦はさぞかし「異様な雰囲気」だろう。

多くの人はその雰囲気とは心的な何かだと思っている。

それは一面的な捉え方といわねばならない。

「異様な雰囲気」とは物理的な何かでもあるのだ。

「空気」が違うのである。

「振動」が違うのである。


僕は大学1年のときそのことを身を以て知った。

先輩から明治の応援はすごいと聞いていた。

メンタルコントロールにはある程度自信があったため,「へん,そんなもの」と思っていた。

しかし,ほんとうにすごかった。

応援によって空気が振動しているのである。

物理的に違う“場”になっているのである。テニスコート上が。

横隔膜が振動するのである。

それで身体がヘンになってしまうのだ。

物理的に緊張する身体へと変容させられるのだ。

ふつうにプレーできなくなってしまうのだ。

あれは経験しないとわからないだろうな。


定期戦をやっていた関学の応援もすごかった。

関学を東京駅で出迎えるイベント(儀式)があるのだが,1年生ではじめて参加したとき,そこでの関学の応援はまさに空気が震えて圧倒された。

こういうことってあるんだなと思った。


W杯のPKはもっとすごい雰囲気なのだろう。空気ばかりか大地が揺れているのかもしれない。

そうした状況決めることができるようになるにはどうしたらよいか?


そのヒントはNBAにある。

マイケルジョーダンだったか忘れたが,NBAではアウエイでの試合のために,ヤジやブーイングの大音響を流してその中でフリースローの練習をするらしい。

空気の振動を起こして,実際の試合の「場」に近づけてシュート練習するのである。

そうすることによって,練習と試合のギャップを埋めることができる。


そう,練習と試合では物理的な“場”がまったく違うのである。

そのことをNBAの選手の方がよく知っているように思う。

それはたぶんPKよりも,フリースローのチャンスが多いからだだろう。


練習と試合では,陸と水中ほどの違いがあるのである。

実際に本番の試合になって足がうまくうごかなくなるのは,あたかも泥水に足をとられるのと同じなのである。

だから陸でいくら練習しても,実際の泥水の中での試合では役に立たないのと同様に,普段通りの練習だけしていても,重要な試合で実力を発揮することはできないのである。


普段から本番(泥水)に状況を近づけて練習しない限り,“本番での自信”は芽生えることはないのである。

泥水の中でも決められるという自信にならないのである。



このことをちゃんと理解している人はあまりに少ない。

特にサッカーには,そういう視点が決定的に欠けているように思う。

逆に言えば,他のチームが鍛えようがないと思い込んでいる側面を鍛えることができれば,ひとつ抜きん出ることができるため,これはチャンスでもある。代表チームにメンタルコントロールの専門家を入れれば接戦や重要な試合こそ勝てるようになるチームにできるかもしれない。






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Last updated  2006/07/22 08:36:48 PM
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