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第5話
U社は建売住宅の会社である。住宅産業というのは、クレーム産業まで いわれるくらいにクレームが多いのである。クレームを誠意をもって解決 するとともに、クレームを起こさないことが会社の運命を大きく左右する のである。 U社では、クレーム処理はかなりよくやっていた。しかし、それは顕在す るクレームだけで、潜在するクレームについてではなかった。私は、この 潜在するクレームも正しく処理しなければならないことをU社長に申しあ げて、お客さまから往復ハガキでアンケートをいただくことにした。 一倉定の社長学内部体制の確立 (PM 11:45) そのために、改めてクレーム課をつくり、アンケートのみならず、すべて のクレーム処理を行うことになった。 次にお伺いした時に、アンケートの状況を聞いてみた。社長に呼ばれた課 長が、返ってきたクレームのハガキをもってきた。かなりの枚数があった。 私は受けたクレームの処理を、どのように行っているかを質問した。 返ってきた答えは、『まだ返事が全部揃いませんので、それからにしよう と思って、そのままになっています』というものであった。私は唖然と してしまった。 一倉定の社長学内部体制の確立 (PM 11:56) いったい、この課長は何を考えているのだろうか。恐らくは、アンケート が全部揃ったら、分類整理した後に社長に報告しようとしていたに違いな い。 私は『何を考えているのだ、君の役割はクレームのアンケートをとること ではなくて、クレームを処理することだ。すぐに電話をしておわびを申し あげ、急いで参上したいからと先方のご都合をお伺いするのだ』と叱りつ けてしまった。 課長を退室させてから、今度は社長にお説教ということになったのである。 おわり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.10.28 23:56:35
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