テーマ:今日のコーヒー(5071)
カテゴリ:フードペアリングの方程式
プロのつぶやき696「味作りの秘訣を盗む!!」 まず、お知らせです…「グアテマラ・エルインヘルト・パカマラ」…「コスタリカNWエルバポール」…「ルワンダCOEルシジ・ムヘウエ」…あと1週間位(6月末位)で売り切れになりそうです。 お陰さまで…「開店20周年の感謝を込めて…「選べるSセット」で…全て1050円/250g」ご好評頂いています。ご注文と共に、20周年の御祝いのメッセージも頂き…あと20年は元気に現役でいられるよう気合いが満ちてきます。 まぁ、現実には今でもかなりフラフラで…朝6時から夜までの仕事で定休日にも仕事している状況はかなり無理がきてます、徐々に跡継ぎに仕事を振っていかないといけませんけども…。とりあえず「グアテマラ・エルインヘルト・パカマラ」淹れて、これから「プロのつぶやき」を書きますね。 そんなこんなで…常連の埼玉県Mさんがいつものようにご感想を送ってくださいました。 「待っていたコーヒーが昨日9時に配達され、早速グアテマラ・エルインヘルトをすぐに淹れました。豆を挽いて入りう時からワクワク、さわやかな酸味とフローラルな香りで冷めてくると上等なワインを感じました。2袋購入したので、コーヒーとワインの好きな友人が驚くに違いないと思いプレゼントしました。感想が楽しみです。 本日は、午後から近くに住んでいる友人にコーヒーをご一緒にと声をかけ、モカ・イルガチェフェを淹れました。坂本さんの豆を初めて口にした友人は「モカだからおいいしいのではなく、豆が違う」と豊かな香り、味のバランスににこやかに驚き、大満足していました。 少しミルクも入れたら、コクも深まりおやつなしで、ルワンダCOEと続きました。豆を挽いている時に、「いつもならミルクなしはいただけないけど、フルーツとフローラルな香りに、ブラックで」とリクエストです。お誘いしたことが本当に嬉しくなる時間でした。コーヒーについてたくさん語り合いました。また、坂本コーヒーのファンを増やしてしまいました。そうなることは予測しておりましたが・・・・・」 Mさん、いつも、ありがとうございます。おひとりでの楽しみ、お友達との楽しみ、嬉しいです。「美味しさは自分ひとりではつくれない。」…味作りをするようになってから、徐々に意識するようになり、今では常に自分に言い聞かせている言葉です。 先日、ネットで「美味しさの定義はできない」たしかそんな言葉だったと思いますが、目にしました、その通りだと思います。まぁ、お好みも人それぞれですし、求める美味しさも違いますからね。 しかし、「美味しさの定義はできない」は「誰に」とっての美味しさかが前提となっていないからだと思ってます。不特定多数の人にとっての美味しさは定義できないでしょう。まぁ、不味く無いようにはできると思いますが。 しかし、目の前にいる人にとっての美味しさってなると、定義ではなくともイメージできます。さかもとこーひーの美味しさはさかもとこーひーのお客様にとっての美味しさをイメージしていますので…「美味しさは自分ひとりではつくれない。」なんです。 これがお客さんの顔が見えるレストランになると、もっとリアルなものになるでしょう。先日、以前焙煎見学に来て、その後色々とアドバイスをしている20代の若者G君から一緒にサンク・オ・ピエに行きませんか?と誘いのメールが届きました。東京に用事があるので、千葉まで足を伸ばしてサンクで食事をしたいということです。 で、若いG君と一緒の食事になりました。コーヒーのこと、美味しさのこと、コーヒービジネスのこと、色々と話しながらサンク・オ・ピエの6.7月のコースを頂いたのです。そうそう、彼は焙煎見学の後にひとりでサンク・オ・ピエに行って、その料理のひとつひとつにビックリしたんです。 で、コースですが…まぁ、野菜とドレッシングをきちんとするとここまで生き生きと魅力的になるのかと、いつも感心するサラダと生ハムで快適なスタート。 メインは世界一の地鶏といわれるフランスブレス産プーレのポワレです。その胸肉の繊細な質感、シェフがアスリートのようと言ったパワーあふれるもも肉を絶妙名人芸の火入れで仕上げますからただ唸るばかりです。 でも、これは最高の素材を高い技術で調理するので…勿論そうとう難しいことですが…盗みようが無いんです、僕はこーひー屋なんで…。 例えれば「グアテマラ・エルインヘルト・パカマラ」をきちんと焙煎すれば、それはそれは素晴らしいこーひーになるのと似ています。 で、真ん中のふた皿目は「自家菜園の新玉ねぎの甘いピュレポタージュフォアグラのソテーを浮かべて」…新玉ねぎがきれいで滑らかで優しいコクのある本当に美味しいポタージュに仕上がって、それだけでニコニコなんですが…ポタージュとフォアグラが一緒になると別世界に連れて行かれました。 ひと口毎になんか昔からあったような料理と錯覚に陥り、すっかり馴染みのお気に入りのひと皿になってしまいました。 こういう料理に出会うと…楽しみながら、ついつい学んでしまうんですが、なるほどフォアグラは甘いものによく合います。合わせるワインも甘めが良いし、添えるのも今はすっかり当たり前になったりんごだったり大根だったり、あるいはベリー類やレーズンだったり、まぁ色々と合わせますが…そうそう以前新タマネギのカラメリゼを合わせたのも最高でした。 なるほど!! そうきたか♪ ってな感じです。アルザスのワイン、ゲヴェルツトラミネールをひと口、新玉ねぎのポタージュとフォアグラをひと口、ワインと玉ねぎとフォアグラがリズム良く、きれいなハーモニーで引き込まれてしまいました。 こういう感覚がとっても勉強になりますので…しっかりと味作りの秘訣を盗まさせてもらいました♪ デザートは…マスカルポーネチーズのムース、フランス産グリオット(チェリー)入りパウンドケーキ、フランス産木いちごの濃厚ソルベです。 ブレス鶏のポアレに合わせるブルゴーニュワインの流れからのデザートですね。このデザート専用にブレンドしたこーひーはコロンビア・ロスイドロスとモカ・イルガチェフェ、ルワンダCOEルシジ・ムヘウエを使いました。ムースやパウンドケーキの質感を受け止めるコロンビア・ロスイドロス…グリオットや木いちごにモカ・イルガチェフェとルワンダCOEルシジ・ムヘウエって感じです。 木イチゴの濃厚ソルベとこーひー、ムースやパウンドケーキとこーひー…最後はソルベが溶けてきてムースやパウンドケーキですくってこーひーと一緒の美味しさ…ソルベがソース替わりのイメージですね。 ポイントは、濃厚木いちごソルベですね。これにこーひーが合わないと話しになりません、普通あり得ないですが…。濃厚木いちごソルベにフォーカスしつつ、ムースやパウンドケーキにも合うようイメージしたのがなんとか上手くマリアージュしてました。 最後に、G君がパウンドケーキでソルベをきれいにすくって美味しそうに食べていたので…おぉ!それそれ、そういうのをイメージしたんだよ~と褒めてあげました。 今、冷めきった最後のひと口のグアテマラ・エルインヘルト・パカマラ。レモンバーベナの鮮烈な香りだけが余韻を引き立てる。ゆっくりと冷えるまで味わい、最後にこれを楽しんで欲しいですねー♪ 「この味を知ることができて幸せです。」…お客様にそう言ってもらえるようなこーひーをお届けしたいと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.06.24 18:24:22
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