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カテゴリ:ウォッチング
憂鬱な雨模様が続くが、最近は家人の手術を21日に控えて、気持ちの上ではそんな憂鬱を吹き飛ばしたい。
憂鬱といえば、最近読んだものでは、ドイツの作家ズーデルマンの長編小説『憂愁夫人』(1887年)、佐藤春夫『田園の憂鬱』、ボードレール散文詩『パリの憂鬱』、そして織田作之助『大阪の憂鬱』、いずれも古本で。 大都会でも田舎でも生活には不安や悩みの材料は少なくなく、憂鬱が頭を支配する。現代でいえば鬱病だ。 『憂愁夫人』では、頑迷で自己中心の父親から破産後の農畜業を継いでゆく実直、朴訥な次男が主人公。伝説上「憂愁夫人」といわれる悪霊に呪われて、貧しく不幸な生活から抜け出せず、身を粉にしてやっと築き上げた邸宅も、父の痴呆的行動のため、自ら火事で失わざるをえないことに。しかし、悪霊の支配から抜け出して幼友達だった女性と結ばれる感激的な結末へ。 農民文学であり、教養小説ともいわれるものだが、現代人から見れば、なんでこんな忍耐せねばならないと思わせる、おしんに通じる物語であった。 ハイネの『歌の本』の詩が子達に朗誦されたりするあたり、ドイツ文学の世界を感じさせた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年09月06日 00時25分46秒
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