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テーマ:DVD映画鑑賞(13963)
カテゴリ:映画にこだわって早100年
isbn:B004ELAX08:detail ■ 監督:トム・フォード、出演: コリン・ファース, ジュリアン・ムーア, マシュー・グード, ニコラス・ホルト ■ 監督・脚本・製作:トム・フォード、原作:クリストファー・イシャーウッド、脚本:デヴィッド・スケアス <<大人の鑑賞に堪える、すばらしい映像詩>> 主人公の喪失感、疎外感、孤独感を描き切って さすがの才人、TOM FORD真骨頂です。すばらしい 大人の映画ができました。 冒頭シーンからして観客の心をひきつける 衝撃的な構図から始まります。 テーマは、どうしようもない孤独と男性そ愛して しまった初老の男の、16年にわたるパートナー を失ったことによる、人生の崩壊と、偶然による 最期を描いています。 それにしても、いちいち丁寧映像表現。 ばたばたしたカット割りが多い最近の映画作品の 中にあって、ここまで、じっくりと腰を据えて 人間を魅せる作品は珍しい。 1960年代を完璧に再現した、ファッション、生活様式、 モードが見ていて釘づけになります。そして、ファッション は完璧です。 音楽もいい。物悲しく、映像の底流を流れ続けるその 音色は、「何かを求める男」の、決して満足できない 喪失感の「一日」をうまく表現しています。 それにしても、コリン・ファースの名演には驚嘆します。 彼あっての本作品。アカデミー賞(候補)もうなづけます。 ジュリアン・ムーアも、退廃的で孤独な金持ち有閑マダムを 演じてすごいな、って感じです。 記憶に残りのは、色使い。全体のトーンはモノトーンなのですが、 主人公が貸金庫から全財産を引き出してロビーにいるとき、 目の前に、まばゆい青のドレスを着た、隣家の娘が立っています。 これに代表されるように、ときどきあでやかな原色をうまく使って そのシーンの意味を倍増させる、という手法は、息をのむほど すばらしい構図となっています。 その日はジョージにとって特別な一日だった。16年間共に暮らしたパートナーが、交通事故で亡くなってから8ヵ月。「愛する者がいない人生に意味はあるのか?」日に日に深くなる悲しみを自らの手で終わらせようと決意したのだ。 ところが今日が人生最後の日だと決めて世界を眺めると、ほんの少しずつ違って見える。英文学を教えるLAの大学の授業では、いつになく自らの信条を熱く語り、鬱陶しいはずの隣の娘との会話で幸せを感じ、かつての恋人で今は親友のチャーリーを訪ねると、やはり孤独な彼女に胸を痛めると同時に慰められる。そして、一日の終わりには、彼の決意を見抜いていた教え子のケニーの思いがけない行動に心を揺さぶられる。 過去に生きていたジョージの瞳に、“今”が輝きだした運命の一日。果たしてその幕切れは―。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年03月27日 00時18分43秒
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