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カテゴリ:├美術関連・美術検定
この日記は、「NY記」の第二日目として以前書いたものを、「美術関連」のカテゴリーにも入れるために、再投稿したものです。NY記と内容はほぼ同じです。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館★その3(2013年10月6日) 2013年秋に、友人と二人で、アメリカ・ニューヨークへ旅をしました。 滞在二日目の、10月6日に、念願のメトロポリタン美術館へ行きました! 全3回の第3回目(最終回)です(^_^)/ 第1回目の記事はコチラ 第2回目の記事はコチラ ********************************* メトロポリタン美術館の三回目です。 ただいま、19世紀~20世紀初頭絵画のエリアをご紹介しています。 前回は印象派まで。 今回は「ポスト印象派」と言われている、ゴーギャン、ゴッホ、スーラ、セザンヌなどをご紹介します。 『イア・オラナ・マリア』 ゴーギャン 『シエスタ』 ゴーギャン ★ゴーギャン……1848年フランス生まれのゴーギャン(ゴーガン)は、株式仲買人の仕事をしながら印象派展に出品していた日曜画家でした。 1883年に、画家になる決心をして、ゴッホ(下記)とアルルで共同生活をしたりしましたが、やがて文明を嫌って南太平洋のタヒチへ移り住みました。 そしてタヒチで数多くのすぐれた作品を生み出したのです。 平らな画面に大きな色の面、鮮やかな色彩が特徴です。 特にタヒチに住んでからは、素朴で原始的な生活を題材にして、紫、赤、緑などの強い色彩で独特の雰囲気を持つ世界を表現しています。 ---美術検定公式テキスト 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 より抜粋 『自画像』 ゴッホ 『糸杉』 ゴッホ 『2本の切ったひまわり』 ゴッホ ★ゴッホ……印象主義の画家たちが外の世界を描いていたのに対して、ゴッホの絵画には、内面の世界、心の動きが画面に表現されています。渦を巻くような筆さばきや生々しい原色を使うことによって、ゴッホは表現力豊かな世界を実現したのでした。 ---美術検定公式テキスト 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 より抜粋 一年ほど前、「美の巨人たち」という美術番組で、ゴッホの「糸杉」の話を観てから、ゴッホの絵が好きになりました。「ひまわり」などで、あまりに有名な画家ですが、絵に込められた思いは深く、その人生は失意の連続。だからこそ、ゴッホの絵は特別な光を放っているように見えます。 『グランドジャット島の日曜日の午後のための最終習作』 スーラ ★スーラ……スーラは色彩の性質を科学的に研究し、より確実なものにして色彩の表現方法に新しい道を開きました。その集大成が、「グランドジャット島の日曜日の午後」という大作です。この作品は、すべてが小さな点の集まりです。これらの点が重なって見えることで、複雑な色彩が現れるのです。 ---美術検定公式テキスト 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 より抜粋 老眼の人には絶対かけない絵だなと思いました。細かい…… それに、1枚描くのに相当時間がかかりそう。 こういう絵を描く人たちって、間近で描き、離れて絵の見え方を確かめ、また間近で描き、ということを繰り返しているんでしょうか。目が痛くなりそうです。 と思ってスーラを調べてみたら、やはり作品数は少なく(1作に時間がかかる)、31歳の若さで亡くなっておりました。若いからできた技法だったのでしょう。素晴らしい。 スーラは「グランドジャット島の日曜日の午後」を書く際、何枚もの習作を描いており、メットにあったこの作品もその一つ。最終習作というからには、最後の習作だった……のかな? 本物はシカゴ美術館にあります。 『りんごの皿』 セザンヌ ★セザンヌ……印象主義のように自然を描くことを好みましたが、彼の場合は束の間の光やうつろいやすい印象には興味がなく、古典絵画のようにしっかりした画面構成をめざし、サント・ヴィクトワール山を何十回も描いたように、自らの理想を追い続けたのでした。 一見すると平らに見えるセザンヌの絵は、筆の重なりによって微妙な遠近感を感じさせます。これまでの絵画の遠近法や明暗法で派内、新しい空間の表現方法なのです。 ---美術検定公式テキスト 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 より抜粋 セザンヌは気難しく変わり者というイメージ。 そして革命的・革新的。 キュビズム等に影響を与えた画家としても知られ、「近代絵画の父」と言われているそうです。 セザンヌの絵は、正直、どうやってみればいいのかわかりませんでした。 私の好きな印象派までの絵画と違って、どこか違和感を覚えるんです。 私の美術のバイブル 井出洋一郎先生の「印象派の名画はなぜこんなに面白いのか」のセザンヌの項を読んで、初めてセザンヌの絵に込めた思いや、絵の描き方・見方がわかりました。 セザンヌは、今までの西洋絵画が確立していた、消失点を定める遠近法や、色彩によって遠近感を出す技法を使わず、独特の構図、色の重なりによって、自ら主張したいテーマを主張しているのだそうです。 よくわかりませんが、独特なんだ、と思って改めてセザンヌの絵を見てみると、ド~ン! とこちらに迫ってくるような気がするから不思議…… それぞれの画家には、それぞれの特徴・良いところがあるということですね。 ポスト印象派はこれで終わり。 最後に、世紀末~20世紀初頭絵画を何点かご紹介します。 まずは、ピカソ大先生です。 『ラパンアジャイルで』 ピカソ ★ピカソ……キュビズムの創始者といわれている、スペイン生まれのフランスの芸術家。作風が目まぐるしく変化した画家でもあり、『ラバンアジャイルで』を描いたころは『ばらの時代』と呼ばれる。明るい色調でサーカスの芸人、家族、兄弟、少女、少年などを描いた。 ---美術検定公式テキスト 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 より抜粋 ●「ラパンアジャイル(ラパン・アジル)」は、フランス・モンマルトルにある、貧しい芸術家たちが集まった酒場のこと。ピカソ、モディリアーニ、ユリトロなどが通ったという。 ピカソの絵は、日本でもいろいろ見ましたが、絵によって画風が違いすぎて、まだ、理解できていません。 同じところに留まらず、常に試行錯誤を繰り返し、進化し続けた画家なのだなと思います。 作品数も多く、絵画だけで生涯に1万点以上! もっとも多作な芸術家としてギネス認定されているそうです。 こういう人物って、どんな「強み」を持っているのだろうと、コーチとしては考えてしまいます、つい…… ●超活動的なので、「活発性」?(じっとしていられない) ●アイディア豊富なので、「着想」?(一見関係のないもの同士もつなぐことができる) ●自らの芸術を極めたので、「最上志向」?(自分のやりたいことを極めたい) まだまだありそうです。 エコール・ド・パリの画家も1点。 『ジャンヌ・エビュテルヌ』 モディリアーニ ★モディリアーニ……エコール・ド・パリの画家。 第一次世界大戦と第二次世界大戦の間のパリには、世界中から芸術家の卵が集まり、芸術活動に励みました。 フォーヴィスムやキュビズムなど新しい芸術の影響を受けながらも、特定の主義を持つグループに属することはありませんでした。 そして、酒や麻薬で荒れた生活を送りながら、戦争の不安やパリの繁栄を描いたのです。 ---美術検定公式テキスト 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 より要約 最後は、私が美術に興味を持つきっかけになった画家、クリムト 『メーダ・プリマヴェージの肖像』 クリムト ★クリムト……絢爛な装飾に彩られた美女を描いた画家。19世紀末のウィーンで活躍したクリムトは、絢爛に飾られた、奥行きのない画面に〈愛〉〈性〉〈生と死〉などをテーマに描いた。 ---巨匠に教わる絵画の見方 視覚デザイン研究所 編 十数年来の親友と、去年久しぶりに会い、美術の話になりました。 すると偶然にも、その友人もクリムトの大ファンだったことがわかりました。 クリムト談義で盛り上がり、楽しい時間を過ごしました。 友人の娘さんも、絵を習い、絵の道へ。 私の娘も美術部へ入り、絵を習っています。 不思議な縁を感じました。 同じ画家が好き、同じ絵が好き、そんな人とつながりあえる……美術はいろいろな楽しみ方があるのだと、改めて感じました(音楽も同じですね!) これで、19世紀~20世紀初頭絵画のご紹介を終わります。 張り切ってやってきた、メトロポリタン美術館。 体調が悪く、不完全燃焼ではありましたが、大好きな絵を間近で見られたことが、大きな喜びになりました。 一生のうち、あと2回は訪れたいです。 これで、美術館レポを終わります。 3回にわたってお読みいただき、ありがとうございました! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.11.04 08:41:39
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