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カテゴリ:BL小説
実はこのシリーズではこれが最新作なのに一作目の次に読みました
在庫があって早く購入できたのが五作目だったので...順番ばらばら(苦笑) 「君にもわかるISO~許可証をください!5~」 烏城あきら先生(イラスト・文月あつよ先生) 二見シャレード文庫 僕は前原に感動するんです 工場がISO規格を取得することになり、大忙しの弘。中でも昔ながらのやり方で製品を 作り続けている製造部の説得には大苦戦。前原といえば、大学卒業資格取得のための スクーリングで東京へ。そこに突然現れたのが前原の父と名乗る中尾だった。 娘の結婚に差し障るから同性同士のつきあいは解消するべきだ、と弘に告げる 中尾の真意は果たして......。一方、取得期限のあるISOを多少強引にでも 推し進めようとする弘に対し、東京から戻った前原は時間が必要だと訴え、意見は 真っ向から対立してしまう。二つの難題を抱えた弘の出した答えとは。 同志で恋人――真剣に向き合うからこそ分かち合える熱い思いが極まる。 まさかBLでISOのお話を読むとは思いませんでした(苦笑) しかも取得するまでのまだ途中の道程を詳しく書かれているので、弘の期限までにと 追い込まれている故の焦りも解るし、前原の自分が関わる製造部だからこそ 穏便にしたい気持ちも...でも、一応社命なのに「嫌だ」と言えてしまうのは 仲間意識が強すぎるところの悪い部分という感じで、ハラハラしました。 喜美津はさくやも好きだけど、何か違うんじゃないかなぁと思うのは上の命令は クリアするというところで今まで働いているからかもしれませんが。 何となく、社命を聞かない。問題がおきてもフォローが出来るなら隠す。というのは 嫌な体制だなぁと(苦笑) 弘の推し進め方も急すぎですが、弘ひとりに押し付けているようなものだし だから読んでいて「何で素直に聞かないの~!?」とやきもきしました(笑) そんなISOに詳しくなれるBL本な今回の「君にもわかるISO」ですが。 数年前にさくやが主に使っている化粧品メーカーさんが大々的にISO取得しました!と 騒いでいるので知ったのが初めてかな? なので少しはパンフとかで仕組みを知ってはいたので、すーっと読めましたが 結構特殊なBLシリーズですよね(笑) 営業部と製造部の上司と品証の弘で集まってISOで悩むのですがおじ様たちが 「磯」とか「イソ」とかでISOを呼んでいて(苦笑) 今回も弘は大変で、一時東京に行ってしまった前原を想って寂しくなったり ISO取得の為に製造部と気まずくなったり、前原の父親が突然現れて別れろと言ったり 帰ってきた前原に夜中勝手に合鍵で部屋に入られて襲われたり(笑) この問題があって、また!?という感じで飽きずに読めました でもやっぱり扱っている内容がどうしてもISOの説明が大半なので、言葉の意味が 解らなくてページを戻ったりと、ちょっと内容を全部理解して読むには大変でした 弘と前原と喜美津が好きという思いがないと...うーん(苦笑) あくまで製造部の人間である前原と、弘の意見の対立で怒鳴りあう場面がある のですが、お互い自分の仕事にプライドがあって、譲れない気持ちが真剣で そこには恋人同士なんて甘いものなんてなくて、とても闘う男という感じで、 すごく言葉でぶつかり合うような熱いシーンでドキドキしました。 この前原と弘の甘い関係と、一歩も譲らない同志の時とのギャップが 読んでいて癖になっちゃうんですよね! そして、前原の父の中尾が現れてマシンガントークで彼なりの正論を弘に 並べ立てるのですが、どこか「???」なんですよね。 奇麗事とも違う、なんとも違和感のある物言いばかりしてきて、前原の父親のはず なのに娘のことばかり重点をおいてて、最初はあまりよく思えませんでした。 しかもばらすみたいな脅迫めいた事を弘に言うし。 それでも弘は第三者の、しかも辻本の様に同じだからばれると言うのではなく 他者にばれるという経験を初めてして、面と向かって同性同士を否定されて 別れる方が良い。と言われたことに焦ってどんどん深みに悩んでいってしまうのが 「また前回みたいに延々と自分だけで悩むのかな~(汗)」と思いましたが、 今回は何にでも前を向いていて 答えはすぐ見つからなくても、歩みは止めずにISOも前原のことも喜美津のことも 考えているので、すごくわくわくした楽しい気持ちのまま、読みやすく思いました。 いつもさり気無くイラストも見ていたのですが、読み返してみて 「ここって前原トランクスじゃん!」と、なんだか照れ照れ(笑) いや、腿あたりの絵なので絵だけ見ると普通にズボンかと思っていたから...っ。 でもBLってトランクス描写って少ないですよね?(何語ってるんだか...) しかもふたりで夜を過ごした後、弘が朝ごはんをつくるところが書かれていて 普通に穏やかな夫婦な雰囲気で(笑) 前原が弘に逢いたいがために宿泊しないで、用事が終わってすぐに東京から 4時間もバイクを飛ばしてくるのが、すごく想いがつまっていて大好きなシーンです 弘、愛されているなぁと羨ましくなります♪ 前原とISOのことで衝突することで弘の甘くない仕事への熱意と、今でも前原に 負けたくないという気持ちが叫びとなっていて。 でもそれと同時に新しく色々と見えることもあって 今回は前原が製造部をひとりで説得しようとしして弘が怒りましたが 前回も結局は、弘が排水のことも慰安旅行のこともひとりで抱えようとしたから 前原は助けようとしてくれたんだ、と言葉の裏の思いに 同じ立場に立ったことで気づいて「負けたよ」と颯爽と思うのが 素直に相手を認められるのが素敵だなと...中々出来ませんものね 中尾にも何故前原とつきあうのか?「僕は前原に感動するんです」と 恋人としてもそばにいたい、でもそれだけじゃなくて 仕事でも負けたくない、追いつきたいから傍にいたい だから離れたくないと堂々と言うのが格好良かったです! ただ中尾は曲者という感じで、やっぱり嫌な感じでしたが(苦笑) でもそれも結局は遠まわし的に前原を父親として心配して、おこした行動だと 言っているので、しょうがないとは思いますが でも離れていた時間が長いし、再婚しているからかな? 前原パパ、結構あっさりひいたなぁと思ってしまいました だって息子が同性の恋人を持っていたら弘と駆け引きじみた事する余裕どころ じゃなくもっと冷静さは無くなると思うんですけど...。 前原が東京にいる時の電話で、逢えない時は鍵穴に鍵を入れるのを...と思っていると かなり「こらこら~!(照)」なことを言っていた前原ですが ISOで気まずくなった時、弘の玄関前で静かに鍵を差し込んでいるのを 扉の向こうで「逢いたいけど...不安で逢いたくない」と息を潜めて鍵の音と 立ち去る足音を聞いているのが、さくやまで緊張してしまいました。 その後弘もつい同じことを前原の家の鍵穴でしてしまうのですが そういうシーンでしないのにすごく我慢を強いているような艶っぽい場面で...。 その後、中尾との話し合いの後前原の家の玄関でまた弘が同じことをするのですが この時は「鍵を差し込む→でも前原を怒らせたし...(鍵を回すのに躊躇う)」なのに 有無を言わさず玄関前に待機していた前原に連れ込まれるのが(笑) 前原が弘のをわざわざ瞳を覗き込んでまで、飲むのを見せるところがあるのですが なんだか前原どんどんマニアックになってる気がする(汗) しかも弘に反撃されて「てめぇ、いい加減にしろよ」っていつ読んでも 抱き合う言葉よりは喧嘩みたいな(苦笑) でもその後の「マジで、俺を、どうにかする気か?」と唸りながら言う前原に めちゃくちゃどきっとしました 無意識に自分の好いように急かして煽っている弘と、焦って上擦った声で 「ちょっ...っ、待て、こ、れじゃあ足んねぇだろうがっ」と言う前原が(照) うーん、このふたりって何でこんなにも余裕がないのか(苦笑) ちなみに、お話の途中で弘が「26だよ」と年齢のことを言うのですが そんなに時間が過ぎてなかったのか!?とびっくりしました ついつい発行年数と錯覚してしまいますが、物語は一年ちょっとしか 過ぎてないんですね(笑) あとは一応の終わりはありますが次回に続くという感じで♪ そして恒例の前原視点ですが、弘は中尾と会ったことを隠していても 雰囲気が違うと解っているのが...愛だな~!! まぁ、抱いたあとの寝惚けて虚ろな弘に答えさせているのですが(笑) 最初に「別れる理由が無い訳ではない」とあって、どきっとしましたが 「どれだけ理にかなった理由があっても納得させられるのは弘にだけ」という のが、そう強気に思いたくても中々実行できないことを、 ぽんっと思えてしまう前原が、愛情に迷いが無くて潔くて。 でも冷たいかもしれないけど、父親と再会しても距離を保っていた前原に 良かったと思いました。よくすぐにわだかまりが消えて~、とか仲良くとか ありますが、そんな簡単なものじゃないと、はっきり言えるので。 弘が寝惚けている時に、お風呂に入れてほしいとおねだりされたと言って 起きた弘をバスルームに連れ込もうと必死な前原と、覚えていない!と 抵抗する弘が外に出ようとして掴まえようとした前原共々床に倒れこんだり(苦笑) めちゃくちゃ痛そう(笑) プロレスをしているんじゃないんだから~! しかもシャワーの水が床まで跳ねて流れてきて焦る弘に 「床なんかどうでもいい。目の前にいる男に言うことを聞かすほうが先だ」と 思うのが、切羽詰っているのが伝わってきて。 今回はそんなに弘のおとぼけ発言は無いのですが、洗われるのを逃げようとする 弘の「遠慮じゃないぞ。僕は全身つるつるだ!」の言葉には笑ってしまいました 本当、弘がその気になる前だと、色っぽさのかけらも無いのが(苦笑) 弘と気まずくなってからいっさいの家事をやる気が無くてためていたというのが なんだか可愛くて(いや、実際一週間家事放棄なそんな家は嫌だけど・笑) 前原視点では弘視点よりも中尾の、父親としての前原への気持ちが 解るのですが...遠まわしすぎるのよね(苦笑) でも妹が婚約を中尾が破棄させたと前原に相談しに説得してほしいと来るのですが、 前原は妹は悪くない。と思っていますが、 そんなに婚約相手が好きなら自分でも行動しようよ。とちょっと思ったかな なんとなくあまえっ子にしか見えなくて。 そして前回から「母親には言っておこう」と考え始めて、今回は言う寸前で 次回の「放水開始!」は言っちゃってるんですよね(汗) 前編では気まずい弘と前原のお母さんの場面があって...うーっ、どうなるのか 気になります! 前原が弘と向き合うことで自分の弱さや甘さを自覚して、弘は弘で自分のほうが...と 思っていて、別に手を取り合っているわけではないけど ふたりして前に進んでいるのが伝わってくる、格好良いお話でした♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.10 07:38:43
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