医療辞書「は」行は行-医療用語基礎辞典-用 語 解 説 バイアル瓶 (Vial) 注射剤に用いられる容器、ふたの中央部がゴム製で、ふたを開かずに、直接注射針を挿入し、必要量を取出す。 バイオプシー (生検)(Biopsy) 病理組織学的診断を行う目的で、生体組織の一部を切りとることをいう。がんなどの病理診断に徒する。 ハイスパン (High-span) 伸縮包帯の一種。 バストバンド (Bustband) 肋骨固定帯の一種。 バッカル剤 (Buccal-) 平たい、だ円形の小錠、舌下や上唇と歯ぐきの間にはめこみ、徐々に粘膜から吸収させる。 巴布 (ぱっぷ) 泥状にしたものを温めて罨法すること。薬物を混ぜることもある。保湿効果が大きい。 パップ剤 いわゆるはり薬。粉状の医薬を精油成分と練り合わせ、湿布に用いるようにした剤型。 パノラマX線撮影法 (Orthopantomography) 1枚のフィルム上に口腔領域、上下顎の総覧的なX線写真を得るための撮影方法。 パラフィン浴 融点42~43℃のパラフィンを52~57℃に保ち、その中に手(まれに肘まで)を10~15回出し入れして手袋状に固まらせ、その後、バスタオル等にくるんで保温するものでリウマチその他の手の拘縮の時の可動域訓練の準備としてよく用いられる。 パラメディカル (Para-medical) 医師の助力者的立場にあって、医療の実技を担当するもの。看護婦、診療放射線技師(エックス線技師)、衛生検査技師、理学療法作業療法士等がある。 バレ・リエウ症候群 (Barre'-Lie'ou-) Barre'氏およびその弟子Lie'ou氏によって提示された神経血管症候群。頭痛、めまい、耳鳴、視力障害、知覚異常などの症状がある。種々の頸椎疾患殊に外傷によって脊椎動脈の交感神経巣の病変を来たし、その結果、血管運動障害を発するものと考えられている。 絆創膏牽引法 四肢に貼布装着した絆創膏および包帯を介して牽引力を作用させる方法。絆創膏のほかに布地にフォームラバーを裏打ちしたスピードトラックなどを用いることもある。そしてロープ・コロン滑車・重錘からなる簡単な装置に持続して牽引力をはたらかせる。この牽引法は手術を行うまでのあいだ、一時的に骨折部を固定する目的でしばしば用いられ長時間の牽引法としては実用的ではない。 パントモ 多層断層撮影 パンビング (Panmping) 脊髄液移動術。腰椎穿刺を行って5mlの髄液を出し、そのままこれを注入し20回反復する。髄液の振動が神経細胞を刺激し、賦活された神経細胞の作用によって疾病の治癒が促進されるといわれる。 PSP (ピーエスピー) (Phenol sulfonphthalein) フェノール・ズルフォンフタレイン試験。腎臓の機能を測定する一つの方法で、PSP色素を動脈内に注射し、15、30、60分後に尿から排泄される色素の量を測定する。 ピエログラフィ (Pyelography) 腎盂(じんう)に造影剤を入れて撮影する方法。 非観血的療法 手術によらない療法で、マッサージ矯正法、電気療法、超短波療法、絆創膏包帯法、ギブス包帯法、副子包帯法、牽引法などがある。 鼻腔栄養 経管栄養法で、チューブを主に鼻腔を通じて胃腔または上部腸管に挿入し、流動性栄養物(薬剤としてポリトニックなどもある)を注入する方法。頭部外傷後の嗜眠状態等に適応される。 非定型抗酸菌症 結核菌群を除いた抗酸菌により発症した疾患の総称である。主に呼吸器に病変を形成するが、リンパ節、皮膚、関節など全身にも認められる。非定型抗酸菌症は結核のようにどんどん進行することはあまりなく, 結核と違って他人へうつることはない。非定型抗酸菌は結核と違って何十種類もの菌があるが, 日本の非定型抗酸菌症の7割くらいはMAC(Mycobacterium avium-intracellulare complex)と呼ばれる菌でしめられている。 P.T. (ピーティー) (Physical Therapist) 理学療法士。機能障害の後療法として、光線・温熱・水浴・電気・超短波・エックス線・ラジウム・気候・機械療法やマッサージ療法をする技師。 BUN (ビー・ユ・エヌ) 尿素窒素のこと。血液中の尿素に含まれる窒素量を測定し、尿素の様子をみる検査で、尿素窒素が増えるということは、腎臓が悪くて排泄されない場合と、体の要求で蛋白質分解が多くなる場合とがある。 病院 医師または歯科医師が、公衆または特定多数人のため、医業または歯科医業をなす場所であって、患者20人以上の収容施設を有するものをいう。 表面麻酔 粘膜の表面に局所麻酔剤を塗布またはスプレーしてそこの感覚を鈍麻させる方法。眼、鼻、口腔内、食道内などの粘膜麻酔に用いられる。 ファイバー・スコープ (Fiber-scope) 光ファイバーを使った内視鏡。光ファイバーとは直径10~20ミクロンのガラス繊維を数万本束ね合わせてヒモ状にしたもの。一方の端から他方の端に画像を伝えることができる。繊維が細いので軟かく曲げられるのが特徴である。これを患者の胃や食道など、体の内部へ直接送り込んで、医師が体の内部の状態を直接目で見ながら確認することができる。 負荷検査 からだにある種の負担を加えて、その処理能力を検査する方法。階段昇降、膝屈伸等の運動をさせる運動負荷、葡萄糖などの薬剤を与える薬剤負荷、その他光刺激などがある。心電図、脳波、血糖検査などで行われる。 複雑骨折 骨折した部分と皮膚の傷口とがつながっているタイプの骨折。開放骨折ともいう。 ブジー 弾力性のあるゴムまたは金属等でできている管状の器具。尿道その他の比較的狭い体管腔に挿入し、異物の探知、狭窄の拡張、薬物の塗布などに用いられる。 不全骨折 骨に単にひびがはいった程度の骨折。折れた部位が完全に離れているものは完全骨折という。 不定愁訴 (ふていしゅうそ) 自覚症状が主で、その愁訴を説明できるような、なんらの他覚所見も発見されないような場合をいう。 プラスター (Plaster) 本来は軟膏のこと、しかし通常は絆創膏、ハッカゴム膏などを指すことが多い。 プラスラン・ギプス (Phasrun-Gyps) あらかじめ特殊な加工をした石膏が包帯に塗布してあり、湯にひたすとすぐにギブスとして使用できるもの。 平衡機能検査 めまい、平衡障害を訴える症例などに行われ、簡単なものには、上肢偏倚検査、下肢偏倚検査、立ちなおり検査、自発眼振検査、複雑なものには頭位及び頭位変換眼振検査、温度眼振検査、視運動眼振検査、回転眼振検査がある。大別すると、1,立ち直り検査 2,偏倚の検査 3,眼振の検査となる。眼振の検査では最近電気眼振計を用いるようになった。 閉鎖骨折 単純骨折 閉鎖循環式全身麻酔 (閉麻) 麻酔剤を気体として吸入する方式で現在もっとも安全確実な全身麻酔法である。患者はマスクをあてるかまたは器管内に直接管を入れ、外気から全く遮断されて呼気も吸気も麻酔器から行われる。吐きだされる炭酸ガスは麻酔回路中の炭酸ガス吸収装置(ソーダライムを使用する)で吸収される。麻酔薬は一度体内に飽和されてしまえば、分解されない限りそれ以上補給する必要はなく、麻酔器~患者間を循環する。 ペイン・クリニック 他に治療の方法がないとか、あったとしても不十分な方法しかない身体的疼痛や必ずしも身体的疼痛を伴わない患者の苦痛(痙攣、麻痺など)を対象とする除痛治療法(神経ブロック療法が中心)またはその療法を行う施設をいう。 ペースメーカー 心臓を収縮させる刺激の発生、伝達が異常を来たした場合(急性心不全ほか)に、体外から電気刺激を与えて、拍動を正常に保つ装置で心臓の救急医療に重要な役を果たす。 ヘマトクリット (Hematocrit)値 赤血球容積のこと。赤血球が血液全体に対してどんな割合をしめているかを計る方法がヘマトクリット値測定である。貧血症の診断に役立てる。 ヘモグロビン (Hemoglobin)検査 ヘモグロビンとは赤血球中の鉄を含んだ蛋白質で、酸素と炭素ガスの運搬を行っている。このヘモグロビンの重量を計って貧血の程度を見る。16~14g/dlは正常、12g/dl以下は鉄欠乏性の貧血である。この検査は症状の推移をかなり正確に反映するもので治療効果の判定に用いられる。 変形機械矯正術 変形した骨格や関節(特に頚椎)に対して器械(牽引装置)によって牽引力を加え、生理的、解剖学的に正しい形態に矯正する方法をいう。腰掛で牽引する法(懸垂療法)の場合に該当する。 変形徒手矯正術 日常生活に重要な運動機能を営む関節(肩、肘、手、股、膝、足)が変形、拘縮を来たしている場合、器械を使用せず、通常温熱を作用させたり、矯正のマッサージを行って血流をよくしてから矯正し、その位置に固定し、また次回同じ矯正を繰返して目的を達する整形外科的専門手段をいう。 膀胱穿刺 下腹皮膚上から直接膀胱を穿刺して貯留尿を排除する方法。 補液 血液成分の不足を補うために用いられる注射液をいい、厚生省では次の種類を「補液を目的とした薬剤」として定めている。リンゲル液・ロック液・生理食塩水・葡萄糖液・果糖液・血液代用剤等。 保存的療法 手術できないか、しない方がよい場合に内科的処置をすることをいう。 ホット・パック (Hot pack) 特殊な鉱泥をキャンパスの袋に包んだもので熱容量が高く、容易にさめない。これをハイドロコレーターで80℃に保ち、バスタオルにくるんで患部に当てる。肩の拘縮のときの可動的訓練の準備、腰痛症その他に用いられる。 骨切り術 骨の曲がっているものや関節が異常位置に硬直しているものに対して、骨を切って形態を改善したり、また骨を短縮したり延長したりする手術。 ポリグラフ (Polygraph) 多用途記録計。生体内の電気的情報を同時に記録するための多目的電気記録装置一式をいう。脈拍、脳波、血圧、呼吸などが同時に記録できる。ウソ発見機としても利用されている。 ポリゾ ポリゾグラフィ (Polysography)の略。重複撮影。 ポリネック (Polyneck) 頸椎固定用シーネ。頸椎捻挫の治療に用いられる。 |