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カテゴリ:韓国関連
この本は1894年から1897年にかけて、イギリス人のイザベラ・バードと言う女性が4度にわたって朝鮮を訪問した時の様子を描いた紀行文です。 朝鮮王朝末期の様子が詳しく描かれていて、第三者から見た朝鮮半島の情勢や各国の朝鮮半島への干渉の具合などが詳しく書かれています。 まず第一に書かれているのが当時のソウルの様子です。 「今まで行ったどこの国の首都より、不衛生で臭い」 「子供たちは家の横に溝を掘ってある汚物の中で遊んでいる」 「秩序という物がまるで無く、人々は仕事もせずボーっと暮らしている」 イザベラ・バードさんの目には当時のソウルは、このように映っていました。 この本に書かれている時代は、KNTVで放映していた「明成皇后・ミョンソンワンフ」の時代と完全に重なっていて、ドラマと重ね合わして見ると相当客観的に時代背景が分かります。 当時の朝鮮をめぐる、清・ロシア・日本の勢力争い。 また、李王朝内での事大主義に基づく、どの勢力に組するかという両班同士の戦い。 そして閔王妃(ミン王妃・閔妃と表現すると差別的といわれるので、こう表現します)を中心とした権力争い。 (また韓国では明成皇后と言われていますが、本人が亡くなった後の贈名ですので皇后という表現は不適切と判断しました) 韓国で常識とされている、日本人の暗殺団が閔王妃を殺害し死体を陵辱したなどの指摘が、この本を読むといかにいい加減な推測に推測を重ねた話かと言うのが良く分かります。 と言うか、日本人はこんな悪い事をしたと韓国民に思わせたい人間の捏造話です。 いつもの朝鮮王朝お得意の政権をめぐる争いに巻き込まれ、閔王妃が殺されたのが良く分かります。 分かり易く言うと、日本人の三浦大使を中心とする王宮に攻め込んだ日本人も、大院君に利用されたのです。 その証拠にこの事件のあと大院君は政治の世界に復権し、閔王妃一派を王宮から追放したり、死刑にしたりしています。 (日本からみれば、もし暗殺を実行したなら国際社会から非難され、へたをすると朝鮮半島での利権を全て失います、得をする事など何もありません) 当時ロシアに近い、とされていた閔王妃を殺害して一番利益を享受する人間は大院君でした。 時代遅れの鎖国政策を続け、また国王の父親と言う立場での権力を失いたくなかったのです。 (事実、大院君は閔王妃の陰謀で、清に連れ去られ2年間幽閉されていました) 日本といえば当時の情勢は、朝鮮半島がどこの大国の影響も受けずに独立した勢力になってほしい、もっと端的に言えばロシアの盾になってほしかったのです。 そのために日清戦争に勝って、朝鮮の独立を国際的に約束させました。 朝鮮を併合してその管理維持にかける余計なお金の余裕が無かったのです。 ならば、朝鮮に独立独歩に道を歩んでもらいたいと言うのが日本の本音でしたが、大院君の手下が閔王妃を暗殺して歴史の流れを変えたため、ドンドン日本の思う方向とは違う方向に流れていった事がわかります。 こういう書き方をすると、朝鮮擁護の方たちからは間違った歴史認識だと言われるのでしょうが、少なくともこのイザベラ・バード女史が本国イギリスに報告している内容は、いま韓国の人々が言っている内容とは大きく隔たりがあります。 どうやら、その他の歴史の話もそうですが朝鮮の人たちは、自分たちにとって都合のいいように歴史を解釈する(悪く言うと改竄する)癖があるのでしょう。 私も一時期は朝鮮の人達に日本人は過去大きな迷惑をかけたと認識していた時期がありましたが、どうやらそれは間違いだったようです。 当時の庶民の間には、助け合うと言う人情もあったようですが、庶民から何かと理由をつけて金品を巻き上げる両班の存在が、朝鮮という国を滅ぼしたと言う事がよく分かる紀行文でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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