古書市でほそぼそと(笑)あつめた手芸本から抜粋。
昭和6年の婦人倶楽部付録の口絵です。
セーターにスカートのさりげないおしゃれ、
当時はこどもや若い女性は軽快な洋装でも、
年配のミセスになると和服ですごす人がほとんどだったのでしょうか。
リアル『サザエさん』の世界(^^)?
中細ていどの細めの糸できっちりメリヤス編みしている様子、
伝統柄のような細かい編みこみや模様編みはあまりみられず、
せいぜい細いストライプやししゅう程度ですね。
アランやフェアアイルがわが国に紹介されたのは、じつはごく最近なのかも。
同誌に載っているメンズセーターの編み方。
平編みでそで・身頃もぜんぶつなげてあみだしています。
最後にわき・そで下をつづけてとじ、
えりは別に編んでとじつけます。
このタイプ(ドルマンそで?)のあみかたも、最近のあみもの本ではあまりみかけません。
いつかやってみたいです(^^)。
こちらは昭和12年婦人倶楽部付録より。
配色コーディネートの見本帖。
当時のトップイラストレーター・多田北烏画伯の画。
今みると、なつかしき昭和テイスト(^^)。
同じく、こども向け配色。
地味で渋めの色合いが、かえってこどものかわいらしさを引き立たせるかも。
同誌の裏表紙。
ビクター毛糸(現・ニッケビクター株式会社)の宣伝広告です。
『皇軍の慰問~』キャッチコピーが入るのは、やはり時代ならではですが、
なんだか印象派の絵画をみているようなあたたかい色づかいですね(^^)。
・・・私がちいさいころは、こんなふうに
かせくりの毛糸をまく手伝いをさせられたのを思い出します
(じつにしんどくてめんどくさかった(^^ゞ・・・)。
マンガ『いじわるばあさん』にもありました。
「毛糸? 巻いてあげましょうか」
と、近所の奥さんからかせになった糸をあずかったいじわるばあさん、
「かまうこたあない、どんどんひきちぎってやれ!
(・へ・)」
と、不誠実(笑)な巻き方をした結果、糸は裂けてずたずた、毛玉と結び目だらけ(>_<)。
しかし。
「これねえ、おばあちゃんにちゃんちゃんこ編んであげようと思って(^v^)」
にこにこと、擦り切れた毛糸を編む奥さんに、あぜんとするばあさん。
・・・最後のコマで、頭からすっぽり布団をかぶって
シュンとしているいじわるばあさんが可愛かったです(^^)。
「・・・ああ、ときどき自己嫌悪と孤独感におそわれちゃう・・・」
これは年代不詳の婦女界付録。
たぶん、昭和初期の発行と思われます。
和服であみものする女性がおしゃれ(^^)、
この和服の柄も、とても洋服ぽいですね。
あみかたの紹介されている作品には
着物のうえにはおるショールやちゃんちゃんこ、羽織などもあります。
寒い時期は、着物の下にタートルセーターを着たり、
当時は和洋折衷ファッションがふつうだったのでしょう。
思い出しました。
大正の傑作、岸田劉生の『麗子像』。
この麗子さんはまさに和洋折衷、
渋めの着物の上にはおった色とりどりの毛糸で編まれたショールが
あざやかな光と影の対比で美しい。
・・・それにしても、よく使い込んでいるのか
美しいショールは糸が切れてほつれ破れていますね。
(この画は麗子八歳の肖像、ショールを着た画は麗子六歳像あたりから
さかんに連作されます。)
画家は綻びた編み物までリアルに活写することで
バロックの「ゆがんだ美しさ」を表現したのでしょうか・・・。
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