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カテゴリ:古本コレクション
戦前、1930年代にロングセラーになったとおぼしき『講談社の絵本』。
10年ほど前に、そのうち選りすぐりの20冊が『新・講談社の絵本』 として復刊されたのは記憶に新しいところです。 『乃木大将』は古書市での掘り出し物、 復刊された『安寿姫と厨子王丸』は図書館で借りてきました (いつもありがとうございます)。 日露戦争で長男・勝典中尉、次男・保典少尉を ともに亡くした乃木大将の悲劇。 多くの将兵の犠牲のすえに、旅順陥落。 明治天皇の仰せによって学習院院長に任じられた乃木大将。 初等科時代に大将の薫育をうけた昭和天皇陛下は、 『院長閣下』をお慕いになり、生涯尊敬申し上げていたとつたわります。 伊藤幾久造・画 池田宣政(南洋一郎)・文。 有名な乃木大将の学習院生徒への訓示。 100年以上前なので、さすがに古めかしいですが 今に通じる というより、現代にこそ頷かされる、普遍的かつ根源的な教育。 詳しくは、こことこちらを。 今暫し、むずかしいかもしれませんが 同シリーズの『東郷元帥』『広瀬中佐』とともに、復刊してほしいですね。 『安寿姫と厨子王丸』 は、須藤しげる画伯・画。 私がこれまでにみた『安寿と厨子王』『山椒大夫』関連の本のなかで 最も美しい絵本です。 山椒大夫の下人としてこきつかわれながら、お互いをいつくしむ姉弟。 日本画を連想する艶麗な描線と 美しい色彩、和様の美。 自らの身はかえりみず、弟をにがす安寿。 かなしくもけなげな場面なのですが、絵巻のような美しさ。 80年前に、ほぼ同時期の 20世紀前半の欧米の『絵本黄金期』、 アーサー・ラッカムやデュラック、カイ・ニールセンの傑作にも比肩する わが国の「絵本」が出版されていた誇るべき事実。 未来にも語りついでゆきたいですね。 人気ブログランキングへ 本・書籍 ブログランキングへ にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.07.16 15:45:39
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