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窓辺でお茶を

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イラクジャーナリスト「地獄よりひどい」

イラク人ジャーナリスト緊急報告会「地獄よりひどい」


 イラク人カメラマン、イサーム・ラシード氏緊急報告会に行ってきました。
30分ほど遅れて行ったので、だいぶスライドの映像など見逃したと思います。

 イサーム・ラシードさんはもともとは電気技師でしたが、イラクの実情を伝えるためにカメラマンになったという人です。今のイラクは混迷を極め、地獄のよう、いやそれ以上にひどい状態になっているということです。(池上夏樹さんの「イラクの小さな橋を渡って」では、言論の自由などに制限があるとはいえ、食料も豊富にあり、レストランで談笑するような普通の生活が描かれていましたし、医療は経済制裁前にはただで受けられたとどなたかが書いていました。)

 夜中の2時、3時にドアを爆破してアメリカ兵が入ってきて、家宅捜査をし、男性を連行してゆく、ということがしばしば行われているそうで、ラシードさんは「これがアメリカの民主主義です」と語りました。今はイラクへ兵もアメリカ兵と一緒に来るようになったけれど、アメリカ兵に従っているだけで助けてくれない、というのがイラク人の思いだそうです。

 ラシードさんによれば、もともとイラクにはシーア派とスンニ派の対立などなかった、同じイラク人、兄弟と思っている。アメリカに依頼された暗殺団、イランなどから入ってくる外国勢力がスンニ派の人を殺してシーア派の地域に死体を置いたり、その逆をして対立させようとした。
そういうことをしていた人たちが警察や軍にはいったので誰を信じたらいいのかわからない状況になっている。

 ジャブリが内務大臣になってから、警察に連行された人が数日後、拷問のあとのある後遺体で発見されるということが起きている。殺されているのはスンニ派である。聖職者の遺体が映し出されましたが、手錠をつけ、電気ドリルで頭や背中に穴を開けられ、首から腹部まで縫ったあとがありました。大勢の人が悲憤を持って取り囲んでいる中、ひとりの人が「シーア派と戦いを起こしてはならない」と呼びかけていました。最も恐れられている内務省の殺人集団はアメリカが訓練した人たちだそうです。

 抵抗勢力はイラク人が傷ついたり殺されるのを嫌うのであらかじめ石などでサインを送っている。

 今ジャーナリストがいなくなってしまった。なぜかといえば、報道できないから。だから、市民がビデオを撮り、なんとか世界に伝えたいと考えている。ラシードさんはイラク兵に1度カメラを取り上げられたことがあり、アメリカ兵には何度も嫌がらせを受け、拷問されて今も傷跡が残っているそうです。3度逮捕されたそうです。家宅捜査され、パソコンも壊された。その際、85歳の父と5歳の息子まで身体を調べられた。

 アメリカはイラクのあちこちに基地を作っていて、世界でも一番といっていい大きな大使館を建てているから、撤退する気などないだろう。アメリカはイラクに薬を持ってくると言ったが、2年たった今も持ってきていない。

 このようなことを伝えるのは、アメリカを嫌になって欲しいからではなく、どのような戦争も嫌だと思ってほしいから。

 イラク人は戦車を持ってくるような自衛隊が軍事支援でないといっても、信じられない。それよりも普通の会社、テクノロジーを送ってほしい。サマワで自衛隊に対し大きなデモがあったのも、仕事をくれると言って来てくれたのに実際にはくれないから。

 高遠さんの補足によると、イラクでも地域によって違う問題を抱えていて、ラマディではアメリカによる空爆が今も続いている、ということです。

 状況をよくするために日本人に何ができるのか?という質問へのラシードさんの答えは次のようなものでした。

・真実をまわりの人に伝えてほしい(マスコミが伝えないから)
・自衛隊を撤退させてほしい
・医薬品を送るための募金をお願いしたい

 身の回りで起きている事を市民が伝えられるよう、インターネットカフェを普及させたい、とも話していました。

 そして、「今日私にはまた新しい義務ができました。イラクの人にたくさんの日本人が遠いイラクのことを考えてくれていると伝える義務です」と述べました。「日本が永遠に平和でありますように!」とも。
高遠さんによると、ラシードさんのようなイラクの人が日本まで来るだけでも大変な危険を冒しているのだそうです。空港までの道のりも危険なのだそうです。
神がおわしますなら、ラシードさんやイラクの人たちにご加護がありますように!と祈らずにいられません。イラクに早く平和がきますように!


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