やさしい竜の殺し方 6 フェンリエッタ編とセファイド編の番外編 2作品。
思い切って買いました 9日に到着したのですが、5時間で一気に読みましたよ。挿絵作家さんが変わってしまっているのでほんと長い間躊躇していたのですが、読みたくて読みたくて。 もう一冊の番外編も今月中に買う予定なのですが、買ってよかった~~って大きな溜息と共に呟いた作品でした~。 津守時生/著 加藤絵理子/挿絵『やさしい竜の殺し方 6』 ('06年 第6巻) (イラストレーターが代わって以降新たに2冊発刊。 新書版は '97年) 文庫版 角川書店 角川ビーンズ文庫/出版社・シリーズ 本作シリーズは文庫版第5巻で一旦終わっていたのです。あとがきで色々な続編の構想が書かれていてわくわくしていたのですが、最近まで外伝が2冊も出ているのを知らなかったんです。(汗) 基本中古ばっかりで美本を集めるのが楽しいので、ずいぶん長く新刊は買った事は無かったのですが、最近可能な限りのあらゆるポイントサイトのポイントを全て楽天ポイントに換金するようになったので、遠慮なく溜まったポイントで新刊買い(今は送料無料だし)してみました。(おいおい) 開封した本の驚くほどの分厚さに、つい顔も綻んでしまいましたよ。 番外編は2作品収録されていて、全く方向性の違う話でそれぞれが楽しく読めるようになっているので、それぞれ分けて紹介させていただこうと思います。 『たのしい竜の出会い方』 人間が暮らしている陽界でアーカンジェル(アーク)とウランボルグ(ウル)が出逢って九年。翻弄される人生の果てに頑なになっていたアークを、唯一絶対の誓約者として当代の竜王であるウルと恋人としても(でもプラトニックなんです…)心を通わせるようになったアークが総帥として率いる神聖統合軍は、全国の勢力をほぼまとめつつあって、もう少しで覇権を収めようとしていた。 そんな時期に、思い詰めた…と言うのも『発情期を迎えてしまって、アーク以外の望まない雌竜と『強力な本能に突き動かされて』過ちを犯してしまうかもしれないという危機感に襲われてしまって(…という事は相当激しいやり取りをウルは目撃したようで。もうそろそろ発情期が来そうな感じなんだ……。煩悩が…!! 色々な煩悩が湧きますね…!!)、ウル的に『危険な』発情期を迎えてしまう前に一刻も早く裏切ってしまうかもしれない危機を回避する為にも、『今すぐ』世界を完全に分けてしまえば、アークの側で裏切る事も無くずっと一緒に居られるんだ!! って思い詰めてしまったのかぁ……。(微笑) 時翔王として力も貫禄も身につけたウルは、早急に世界の完全分離を行う事により、陽界でアークと暮らす為に『5日後の満月の夜に分離の呪文を唱える』事を一方的に宣言して、『不動』のマゼランの妨害を跳ね返して陰界を飛び出したのだった。 若いドラゴン3兄弟にウルを連れ戻すように命じたのだが、予知能力のある四大老のうちの最年長である地の長老『不動』のマゼランが不安を察知した為に、その不安を確実に取り除く為に陽界に向かうように頼まれた3人、火の長老『光焔』のアルマゲスト、風の長老『豪嵐』のメシエ、水の長老『壊流』のフラムスチードがウルを連れ戻すべく陽界に渡ったのだが…。 フェンリエッタの「……なんて……可愛いんだろう……!」の言葉の意味が何を示すのかも、お楽しみに~!! です。(苦笑) 『かなしい竜の殺し方』 ウルを押しのける形で大活躍した、千年前の伝説の竜王であった炎烈王セファイド(セファ)とその誓約者聖王ナディア、副宰相となった腹心の紫の魔女ロレンシアとその誓約者でセファの幼馴染みであり親友であり互角の力を持つ雷華公アルファードが登場します。 世界の二分割前夜とそれから10年経った人間側の陽界の現状と変化を読む事ができるのですが、聖王ナディアはアルの言葉の中でよく登場していたので容姿や性格はほぼ分かっていたのですが、雷華公アルファードは古の大亀のしみじみした思い出話の中のセファと一緒にいた『黒竜』だと言う事しか描写されていなかったと思うんですよ。 その雷華公アルファード、実は妹竜がセファの子供を産んでいて、その子供の血脈が雷牙王アルファードに続くわけです。最初名前が一緒で『あれ?』って思っていたのですが、容姿も属性も良く似た子供が出て来たわけなんですね。 その雷華公アルファードは10年後の陽界に唯一残った竜として聖王ナディアの治世を守る為に大きく貢献していたのだが、その彼の元に陰界に住む妹からの伝令が送られて来たのだった。 この後は…実際に読んで頂きたいです。驚きと驚愕と笑いの連続で、ベッドに横たわって本を読むのが好きなんですが、まさしく『枕を滂沱の涙で』濡らし続けてしまいました…。 アルの憑依魔法で戻って来たセファは、楽しかった事ばかりしか言わないようにする繊細な心の持ち主だって言うことがとてもよく判ってしまうんです。それぞれ辛い想いで苦しんだ歴代の竜王の中でも、これは違う方向性でとってもしんどい想いを抱えていた事を何となく感じさせる記述はありましたが、この本で本当の真相を知る事になってしまいました…。 正直、この話を読みたくて待っていたっていう感じです。(泣) …むっちゃこの本を買って良かったなぁって、思います。これはもう、ほんと本編を熟読してから読んで頂きたい物語でした。続編をありがとう!! …って言いたい。 早く続編『memorial』を買わなくてはっ!! また近々続編の感想を書き込みたいと思います。●楽天ブックス● 詳しくはこちらでも見れます。やさしい竜の殺し方 6