Kip学伸さんの松本先生が、昨日のブログでおっしゃっていることには全くもって同感である。
私も以前は個別指導塾で教室長を務めていたし、今年から異動した教室はクラス指導部と個別指導部が併設されている。
その少ない経験からの判断になってしまうが、
個別指導部で授業の振替を繰り返す子は、一般的に学力が上がっていないケースがほとんどだ。( and vice versa )
授業の振り替えは、サービスの一環であるから、要望があれば行う。
相手はお客様であるし、こちらとしてはルールの範囲内で振替授業を行うしか仕方ない。
しかし、振替制度はあくまでもやむを得ない事情の場合だけに限って欲しい。
それは子どもたち自身のためだ。
やはり、学力をしっかり伸ばしている子はほとんど振替授業を行っていない。
今まで私が見てきた生徒でも、都立立川、日比谷、西、国立、国分寺、
埼玉の川越や川女に合格してきた子は、とにかく塾を休まない。振替もしない。
勉強するペースが一定なのだ。
振替授業をすると、たとえば「今週の授業回数はゼロだが、翌週は3回ある」
という風に授業ペースが不安定になってしまう。
これは学力向上を妨げる主要因である。
しかし、それ以上に振替授業の弊害はある。
・雨が降ったら休む
・ちょっと具合が悪かったら休む
・疲れているから休む
・遊びに行くから休む
こうした理由による振替をその都度認めていたら、その子の中に
・雨が降ったら休んでいい
・具合が悪かったら休んでいい
・疲れていたら休んでいい
・遊びの予定があったら休んでいい
というような「いい加減な精神」を育ててしまう。
これが最も危険なことだ。
私たちの小さな頃は、「不登校」「保健室登校」「ひきこもり」などの名詞が存在しなかったため、
私なんか、どうやって学校をさぼろうか、毎日ありとあらゆる手段を考えていたものである。
体温計の頭をカーンカーンとたたくと、みるみるうちに体温計の温度が上がることを発見した時には、飛び上がらんばかりに喜んだ。
結局、喜びすぎて学校に行かされるはめになった。
とにかく、私の場合、親が「休む」ことを許してくれなかった。
学校も塾も野球も。どんなに疲れていても休めなかった。
しかし、最近では、ご家庭の方でも子どものわがままを聞いてしまうケースが多いようで
こちらとしては大変困ってしまう。
「本日は疲れているので休ませます。」
「今日は雨が激しいので休ませます。」
こうした電話が保護者の方からかかってくることがある。
本当に困ってしまう。
いや、私が困るのは構わない。本当に困るのは子どもたち自身である。
学力が上がらないばかりでなく、「いい加減な精神」まで宿ってしまうからだ。
社会に出てからも、きっと負の遺産が残ってしまうだろう。
学力をあげたいのであれば、振替授業は出来るだけ少なくすべきである。
子どもたち自身のためにだ。
少ない経験則から学んだ私の信念である。