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カテゴリ:教務(英語)
英語は語学なので、週に1回や2回、ちまちまと駅前の英会話教室に行ったり、高校の英語の授業を週に数時間受けるだけでは喋れるようにならないというのが個人的な考え。
以前勤めていた塾で、保護者からクレームが入ったことがある。小学英語クラスのことである。 塾では、高校受験を見据え、文法重視の内容で進めていた。実際、小学英語クラスの子は、数年後都立トップ校に行くケースが多い。というより、中3の最上位クラスの子のほとんどは、小学校から自塾に通っていて、しかも英語コースに所属していた子で占められていた。 一方、小学校の時に英会話教室に通っていたのに、中学で英語を苦手としてしまった事例もいくつか見てきた。
そうしたことを総合し、また経営的な判断から(←要は小学英語の時間帯に、英語を喋れる先生を確保できないという事情)、塾では文法重視の内容で進めていた。
しかし、昨年の面談でクレームが入り、そのお母さんのもの凄い剣幕に、社員がたじたじになっていた。(同時に4カ所で「一斉内部面談」が行われており、他の保護者もみんな注目している)
お母様の言い分は、「もっと会話重視にしてくれないと、喋れるようにならない。」というもの。 うちの社員は「うちは文法重視で進めているので、それはできない。」というような返答を繰り返しているのだが、完全にお母様に押されている。
お母さんが「フォニックスの指導とかしていらっしゃるんですか。」と聞くと、 うちの社員は「フォニックス」という言葉自体全く知らなかったようで、そこをお母様がさらに突いてくる。
「フォニックスも知らないで英語を指導しているんですか!」
そこで、私が登場。 冒頭に挙げた事例などをを丁寧に説明。 「当塾では、週1回1時間の英語の授業しかないので、その中でできる最大限のことをしております。チラシにも書いてあるとおり、うちは文法重視の内容で進めております。 また、今までの事例を見て、文法重視の内容で進めた方が、少なくとも都立受験には効果があるようです。しかし、英会話ができるようになるかと言えば、うちのやり方では難しいでしょう。 チラシにも予め書いてあるはずですし、当塾はこれが最良の方法だと信じてやっておりますので、あとはお母様のご判断だと思いますよ。」 (隣に英会話教室が2件もあるんだから、そっち行けばいいじゃん!とは心の中でしか言わなかった。)
「それとですね、お母様。うちは週1回1時間しかありません。その中でどうやろうが、絶対に英語は喋れるようになりません。 もし、本気で英語を喋れるようになりたいのなら、英会話教室にできるだけ多く通われ、さらに学校から帰ったら、絶対に友だちとも遊ばないようにしてください。さらに、テレビもラジオもつけてはいけません。日本の音楽も聴かないようにしてください。家族の会話も全て英語で行ってください。とにかく、学校以外では一切の日本語を遮断して、すべて英語漬けの生活にしてください。そこまでしないと、すでに「母語」が日本語である12歳の子が、英語を喋れるようになることは難しいと思いますよ。外国語の習得はそこまでしないと難しいのです。」 (これを歴史上、1910年にやらされた国があるのですよ。とは、心の中でしか言わなかった)
よく、「町で外国人に英語で道を尋ねられたら、英語で答えられないと・・・」みたいなことを聞くが、 日本にいるんだから、向こうが日本語で聞くのが筋っつうもんだろ。 といつも思う。
私たちがイタリアに行って、日本語で道を尋ねるだろうか?アメリカに行って、日本語で道を尋ねるだろうか? 普通は現地の言葉を駆使して、尋ねるのではないだろうか。 それをなぜ、日本国内にいて我々が英語をしゃべらないとならないのか。この国は、どこの属国なのだろうか。
郷に入っては郷に従えと言うが、どこに行っても方言を直さないで済まされるのは、関西人だけである。
ところで、そもそも、将来英語が必要になる職業はどのくらいあるのだろうか。むしろ必要のない職業の方が多いのではないだろうか。それよりも鍛えておくべき学科があると思う。それが国語である。
※注 実は高校英語の英会話導入には、全面反対ではないのです。むしろ大量に増やしてほしい。ただし、選択制で通常の授業とは別枠で「英会話」という時間を増やしてほしいと個人的には思っていた。 しかし、学校教育で英会話を行うと、困るのは英会話教室である。公教育が充実することにより、職を失う人が出てくるという事実。長くなるので、忘れていなければ来年へ続く。 (テーマ「サービス業の定義と大きな政府と規制緩和」)←部屋とワイシャツと私みたいなノリで お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/24 04:12:04 PM
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