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詩集の中の栞のように~裏ブログ~

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2013/11/15
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カテゴリ:尊敬する先生方

上江洲先生の授業は静かに始まった。それは、まるで静かな交響曲のようでもあり、壮大なスケールの映画や小説のようでもあった。大きなクライマックスを迎えるストーリーの始まりはいつも静かなものである。そして、その静かなプロローグと印象的なエピローグがピタッと線で繋がる。良い授業とはそんなものであることを、細川先生と私はこの後、目にすることになる。

上江洲先生は、他の多くの先生がそうであるように、まずは自己紹介から始めた。そして、そのまま授業に入っていくのかと思っていたその瞬間、上江洲先生は私が想像もしていなかったことを言い始めた。


「じゃあ、ちょっとみんなで「上江洲先生~」って呼んでみてください」

 
それはまるでコンサートにおいて、歌手が観客にお願いするかのような仕草であり、言い様であった。しかし、歌手と上江洲先生との間には決定的な違いがある。それは上江洲先生はアウェイの環境にいるということだ。

繰り返しになるが、上江洲先生はあくまでもゲストである。そこに上江洲信者はまだ一人もいない。サッカーで言えば、アウエイの環境での授業だ。しかも相手は最も恥ずかしがり屋な世代である中学生。この状況下で、「ちょっと私の名前をみんなで呼んでみてください」と言い出せる講師が、果たして世の中に何人いるだろうか。


私が驚いているのも知らず、上江洲先生は続ける。

「さん、はい!」

すると、生徒達が一斉に「かみえすせんせーい!」と元気よく応える。

 

上江洲先生は続けた。「もう一度お願いします。さん、はい!」

生徒達「かみえすせんせーい!」

さらに元気の良い声が教室に響く。

 

これはなかなか出来ることではない。この瞬間、教室は上江洲先生のコントロール下に置かれていた。安倍首相が五輪招致のスピーチで言った「アンダーコントロール」とはまさしくこのこと。

こうして上江洲先生の授業は開始された。

ここまででちょうど1分が経過した。

※なお、きちんと「かみえすせんせーい」と大きな声で言えるうちの塾生達もなかなかのものであると思っている。手前味噌で恐縮だが、あの場で「かみえすせんせーい」と全員で話せる中3クラスは、全国にもそう多くないのでは・・・ 

 






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Last updated  2013/11/15 07:02:23 PM
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