カテゴリ:読書
遠い声遠い部屋改版
カポーティ23才の時に発表された長編処女作です。 1度見たら忘れられないような、印象的なこの写真が、確か裏表紙に使われたという話ですが、その効果は絶大だったのではないかと思います。 小説ととんでもなくマッチしているし、この小説でひしひしと伝わってくる、「愛されたい」という心の叫びが、このポートレートにも強烈に表れていると思うのです。 現実と幻想とが交差する、『夜の樹』に近い印象でした。 『夜の樹』も読みにくかったような記憶があるのですが、こちらも結構読みにくくて・・・(^^;) カポーティの小説を読むと、どれもが共通して、痛々しいほどの <孤独> が感じられるのですが、これは特に強烈な気がします。 文中のランドルフのセリフを紹介しますが、これ、なかなか23才ではわからない事だと思うのです。愛情に飢えて育ったカポーティならではなのでしょうか。 「まず、ぼくが恋をしていたというところから話しはじめようか。というと、たしかにありふれた言い方だが、しかしありふれた事実とは違うんだよ、なぜなら、愛情が思いやりだということを知っている者は、ほとんどいないからね、それにまた思いやりというものは、多くの連中が考えているように憐れみではないんだ。それだけじゃない、愛のよろこびはあらゆる感動を、ただひたすら他の人間に集中することではないのだが、それを知っているのはなおさらわずかだ―――われわれは常にたくさんの物を愛さなければならないからね、最愛の人なんていうのは、そのたくさんの物の象徴にすぎないのさ。世間でいう真の恋人たちにしても、実際お互いの目に映っているものは、ライラックの開花や、船の明り、学校の鐘、風景、忘れずにいた会話、友人たち、子どもの日曜日、失われた声、気に入りの服、秋やすべての季節、思い出、そう、思い出は実在の陸地でまた海だから、思い出、つまりそう言ったものなんだよ。郷愁をさそうものばかりだが、しかしそれにしても、思い出ぐらい郷愁をさそうものが他にあるかい? 「ライラックの開花や・・・」の所が好きです。 実を言うと、あまりに幻想的でちょっと私には苦手な感じもあった訳でして(^^;)、その中にもやはり天才だな、と思える箇所、すごく早熟だと思った所などいろいろありまして、次回いくつか引用して終わりたいと思います。 その他トルーマン・カポーティに関してはこちらから。 *昨日成瀬巳喜男の『あにいもうと』を観てまして、母が昔映画館で観たとかって話をしてました。これに出てくる船越英二の役、なんて弱々しくだらしないんだろう、と当時は思ったらしいのですが、「今はこういう人ばかりだから見ても普通ねえ」なんて事を言っていて、にゃるほど!時代と共に当時描いていた人物も変わってしまうのかあ、なんて思っていたのですが・・・意図が伝わらない事もあり得るんだなあ、と。 家帰ってネットオンした途端に入ってきた船越英二さん死去のニュースにビックリです。噂をしていたばかりだから、さらにです。ご冥福を祈ります。 (『盲獣』の感想も書いてます) この後『失楽園』の途中まで観まして、(元々観る気はない映画でしたが、阿部定と関係あるみたいなんで、ちと観る気になったらテレビでやってくれたんで。) あまりのつまらなさにイラついてる私に愛の1クリックを~~~。 よくあんなの流行ったなあ、と・・・ オークション&プレゼント2007年03月16日20:00 から 2007年03月27日23:55 まで 開幕直前タイムセール開催! 毎年、大好評の福袋が ・・・ 。 今までにない内容で出現だって! 春の大決算☆福袋! ザ・決算!春の新商品も入ったぎっしり福袋【送料無料】 オーガニックコットン&天然せっけんのメイド・イン・アース 春のタオルお試しキャンペーン!!3/31までです。 私はタオルもバスタオルも愛用してますっ!こちらも是非ご参照に! S E M P R E 2007 春の新生活特集 ◇◆人気blogランキングへ◆◇ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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