薄桜鬼 碧血録の第16話を見ました。
第16話 誠心は永遠に
慶応四年三月江戸
夜回りをしていた
山南の後を付けていた
斎藤は
天霧が血を求める羅刹と対峙しているのを目撃し、羅刹を斬り倒すと目の前で砂となって消えていく。
「あなたに助太刀頂くとは…。斎藤殿と申されたな、かたじけない」
「天霧九寿…今の羅刹、アレは?」
「雪村綱道が作りし土佐藩の羅刹。先月土佐藩邸より脱走した者が江戸市中にて辻斬りをしているとの噂があり、事実確認を進めていた。見つけ次第抹殺せよとの藩命であったが、既に寿命だったようだ」
「寿命?」
「羅刹の力は決して神仏からの授けものではない。人並み以上の腕力、敏捷性、そして驚異的な回復力――それは地震の体に秘められているモノ。本来数十年かけて使い果たしていく力を借りているに過ぎない」
「つまり、力を使えば命が短くなるということか?」
「そういうことだ」
「今の羅刹が灰となったのは寿命が尽きたから…」
「では私はこれにて失礼する。羅刹になったお仲間にも伝えなさい。新選組にも血を求め、彷徨っている者がいるようですし」
吸血衝動に苦しむ
土方を見た
千鶴は刀で指を斬って自分の血を飲ませようとするが、止められてしまう。
「どうして!?血を飲まなければ苦しいんでしょ!?」
「いいから、お前はさっさと出て行け」
土方達隊士を欠陥のある羅刹にしてしまったことや甲州での敗戦で意気消沈する
近藤に
土方は会津へ向かうことを提案する。
新たに隊士を募り、彼らに新式装備の演習をさせる中、下総流山に移転した
近藤達だったが、新政府軍に取り囲まれてしまう。
土方が自分が囮になると言い出すも、
近藤がそれを止める。
「歳、お前が行くことはない。俺が相手の本陣に行こう」
「何言ってんだ、近藤さん。アンタじゃみすみす死にに行くようなもんだ」
「勿論、新選組の近藤とは名乗らんよ。俺達は旗本でこの辺りを警備している鎮圧部隊だといえばお前達が逃げる時間稼ぎくらいはできるだろう」
「馬鹿言ってんじゃねえよ!!そんな話すぐにバレるに決まってる!!」
「仮にそうだったとしても俺は大名の位を持っている。そう簡単に殺されたりはしないさ」
「甘ぇよ、アンタ。旧幕府から貰った身分なんざ、奴らには毛ほどの価値もねえ!!俺なら心臓を貫かれない限り死ぬことはねえ、時間を稼ぐなら俺の方が適任だ!!」
「ダメだ、お前がなんと言おうと俺が敵の目を引き付ける。もう決めたことだ、歳」
「ふざけんじゃねえ!!大将のアンタがいなくなったらどうするんだ!?俺はアンタの首に縄を付けてでも逃がしてみせる!!アンタの体はもう近藤勇、一人のもんじゃねえんだ!!」
「ならばこれは命令だ!!土方副長、駐留している隊士達を率い、市川の舞台と合流せよ。…局長の命令は絶対なんだろ?隊士達には切腹や羅刹化を命じておいて、自分だけは特別扱いか?島田くん、歳と逃げてくれ。敵が押し入ってからでは俺が投降する意味がなくなる。なぁ歳、そろそろ楽にさせてくれ。俺を担ぎ上げるためにあちこち走り回って、しまいには羅刹にまでなって…そんなお前を見てるのは辛いんだ」
「俺は…俺のしてきたことがアンタを苦しめてたのか…。侍になって、お上に仕えて…そうすりゃアンタが一緒に喜んでくれると思って…」
「すまん…お前をそこまで追い詰めたのは俺だな」
「局長命令なんだな?」
土方は局長命令とあれば聞かないわけにはいかなくなり、
千鶴は
近藤から逃亡資金を渡されるのだった。
「俺が逃げたいといえば、歳は羅刹になって数百人の敵を相手に命懸けで戦う。羅刹の力を使えば、歳の寿命はどんどん縮んでしまうんだろ?アイツの命と引き換えに今の俺が生き延びるわけにはいかん」
土方と
千鶴は隊士達と共に脱出して逃げていくのだが、新政府軍に見つかってしまったため、
土方は羅刹となって新政府軍に立ち向かっていき隊士達を逃がそうとする。
「これが銃の痛みか…思ったより大した事ねえな。あの人の痛みに比べりゃ全然な!!」
千鶴は新政府軍を倒した
土方に近づき、邪魔にならないようにするから傍に居させてほしいと頼む。
「俺は…、何のためにここまでやって来たんだろうな。あんなところで近藤さんを敵に譲り渡すためか?あの人を押し上げて関聖帝君や清正公どころじゃねえ…本物の武将にしてやりたかった…。片田舎の貧乏道場の主と農民の子で、どこまで行けるのか試してみたかった。俺達は同じ夢を見てたはずだ。なのに、どうして俺はここにいるんだ!?近藤さんを置き去りにして、どうしててめぇだけが助かってるんだよ!?絶対見捨てちゃいけねえ相手を見捨てて、てめぇだけ生き残って!!」
「土方さんが近藤さんのことを思っているように、近藤さんも土方さんに死んでほしくなくてもっともっと生きてほしくて…だからどうしても、ああならざるを得なかったんだと思います」
次回、「玉響の夢」
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