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2010.01.21
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カテゴリ:国際経済
 ユーロは世界最強通貨の地位を手に入れたと信じられている。ドルの地位が低落する中で、相対的にユーロの価値が上昇を続けてきた。ユーロは複数の国の共通通貨になるから、すべての国の経済が安定しているという厳しい条件が求められる。ユーロを構成する国の一つでも経済的危険水域に達すると、ユーロ全体の信用が揺らいでくる。その境界線にギリシャが立たされている。
 貿易収支や財政赤字などの個々の問題は、どの国も抱えている。それでも、財政赤字の限界点や累積債務の問題は、ギリシャも厳しく監督されてきた。ところが、ギリシャは数字を改ざんして、EU諸国を欺いてきたという。ユーロ圏を拡大したいというEUの考えと、不安定な経済を持つ国を抱え込むべきではないという考えは常に対立してきた。ギリシャは、東欧諸国や旧ソ連諸国に比較すれば、優等生だから、ユーロ加盟は認められた。ところが、政府によって隠されていた債務の数字や財政赤字が公表されて、ギリシャ経済への不信感が高まっている。
 EUは、ギリシャをユーロ同盟から追放するのか、それとも救済するかの選択を決めねばならない。ギリシャが独力で経済不振を克服することは難しく、景気対策のための公共投資が、さらに財政赤字を拡大させている。数年後のデフォルトは避けられないほど厳しい数字が並んでいる。解決策は大幅な政府予算の削減になるけれど、そんなことが不況の最中にできるわけがない。
 ギリシャ政府に効果的な危機対応策はない。消費や投資が実体経済よりも過剰になっていたことが傷口を深くしている。大幅に財政赤字を縮小できれば、すべての問題は即座に解決する。もし、できないとユーロ圏から脱落するしかない。
 英国がユーロに加盟していない理由は、さまざまな規制や制約を嫌ったからになる。ユーロの安定を第一にして、財政赤字などの条件が厳しく設定されている。金融危機の後は、欧州でも混乱状態が続いているから、1カ国が道を誤るとその影響がほかのユーロ構成国に及んでくる。失速したギリシャ経済をユーロ圏から排除して残りの国が無事に生き残るのか、それともギリシャを救済して正常な経済の姿に戻すかの分岐点が近づいている。どちらもギリシャ国民の負担が激増するから、政治的不安定が加速する。





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Last updated  2010.01.29 19:43:18
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