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2010.02.22
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カテゴリ:モータースポーツ
 セルビア人の富豪ステファノビッチ率いるステファンGPのF1加盟が即座に実現するかのような報道がなされている。しかし、今年度の参戦は、ほとんど絶望的だろう。バーニー・エクレストンが支持しているといっても、F1加盟に要求されるさまざまな条件をセルビア人オーナーが満たすことは不可能だろう。セルビア国内の厳しい経済事情を考えると、セルビア政府がステファンGPに資金援助する可能性は低い。
 ステファンGPは、トヨタF1マシンを使うと公言している。しかし、トヨタのマシンは撤退表明時に開発を停止している。開発中断のマシンをもう一度やり直すには、莫大な資金を要求されるはずである。トヨタレーシング技術の粋を集積したマシンを安く売り渡すわけもない。さらに、開発した最先端技術が漏洩する危険を考えると、トヨタのマシンを手に入れて参戦するには、政治力が必要になる。金だけではどうにもならない現実が残っている。
 F1加盟には、すべてのチームの賛同が必要になる。自分たちの立場を不利にするステファンGPの新加入を他のチームが簡単に認めるわけがない。FOMの賞金配分は、成績に応じて額が変わる。自分のもらえる賞金を減らすことを喜ぶオーナーがいるとも思えない。さらに、レッドブルやヴァージンと異なって、F1参戦で何を宣伝したいかもはっきりしない。出場するだけで莫大な資金を消耗するF1に参戦するには、強固な理由が必要になる。いかにセルビアの富豪といえども、毎月数十億円が消えていくレースに全財産をつぎ込めるわけがない。
 ステファンGPが自力でマシンを開発するのではなく、トヨタの旧型マシンを購入することを狙っているというのも、どうも見ても怪しい。前年度のF1マシンの戦闘力は限界があるし、新たに開発エンジニアなどを雇用すると、それなりの現金が必要になる。その資金を補うのはスポンサーの役割になるけれど、世界不況において有力スポンサーを集めることは難しく、下位チームを支援する世界企業は限られている。これらの条件を加算すると、たとえエクレストンが後押ししても、F1参入にかなりの時間がかかってしまう。新参者には、いつも厳しい世界なのである。





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Last updated  2010.02.25 14:53:52
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